登山女子のぽんこつ日記~はじめての登山やコース、装備など~

登山のこと、山道具のこと、いろいろ紹介します。

奥穂高岳 登山の難易度と4つのポイント

奥穂高岳 テント泊 登山 8月
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2017年8月13日

涸沢ヒュッテ テント泊 3日目

一昨日涸沢まで来て、昨日は天気が微妙でしたので、のんびりすごしました。
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そしていよいよ・・・。

早朝3:00起床。
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昨夜の気温は10℃程。

Tシャツ、ユニクロのステテコで、
シュラフはmont-bellのバロウバッグ♯3です。

明け方から寒くて、途中でパタゴニアのマイクロパフを着込みました。

足元が寒くなってくると夜明けの予感。

まわりのテントもジッパーを開けるジーっという音やビニール袋のガサゴソという音がしています。

トイレを済ませたら、昨夜準備しておいたアタックザックを背負い、出発です。

奥穂高岳、いざゆかん!
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アタックザックの中身

ちなみにアタックザックの中身は、
カッパ
ツェルト
マイクロパフ
救急セット
水1リットル
無線
GPS
ヘッデン
120センチスリング2本
カラビナ2枚
行動食多め
など。

今回はビビー想定のかなり慎重な装備になりました。

涸沢テント場~ザイテン取付

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テン場から涸沢小屋周りのルートを行きます。
左回りのパノラマコースは雪渓のトラバースが気を使って疲れそうだったので・・・。

ヘッデンはブラックダイヤモンドのギズモです。


これはテン場で使うには丁度良い光量なのですが、暗いうちに行動するならもう少し明るいパワーのある、ブラックダイヤモンドのスポットにすればよかったです。

他の登山者も暗いヘッデンの為か、ルートを大きく間違っていました。
私は前日に下見しておいたので、目印の場所を覚えていたため、ロスすることなくルート通りにのぼることができました。

最初は涸沢小屋から樹林ゾーンの中を抜けます。
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ここは道がそこしかないので間違える心配がありません。

樹林ゾーンを抜けると、だだっ広い石のゴロゴロしたところを行きます。
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よく見ると石に「○」とか「→」が書いてありますが、暗い中、目指すザイテンの影だけを見ていると、ルートから外れてしまいます。
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他にも赤いリボンの付いた棒もあります。
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目印の間が長いときは、苔の付いていない石のところを進むと間違えにくいと思います。


ルートを外れても合流できるのですが、人が歩いていないということは、浮石が多く、落石の危険性があります。

しばらく進むとだんだんと明るくなってきました。
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モルゲンロートは04:55とのことでしたので、「あ、今きっとモルゲンロートの中を歩いてるんだ」と思うととても不思議な気分でした。

遍く照らし出す朝日に背中を押されているようです。
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ザイテングラートの取付きに到着です。
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ヘルメットのあご紐を締めて、靴ひものチェックと水分補給。
気を引き締めます。
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ザイテングラートの難易度

ここは、落石、滑落と、毎年事故が多いルートです。

ハイマツの間の岩稜登りからスタートです。
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お花に力をもらいながら登ります。
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ハイマツ帯を越えると、クサリのトラバースがあります。
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下りのときは、足場が見えにくいので、登りのときに足場を覚えておくと安心です。

短いハシゴもありました。高度感も無く難しくありませんでした。



正直、登りではそんなに危険に感じないところが逆に油断を誘うのかもしれません。
油断して景色を楽しみすぎてルートから外れてしまい、浮石を踏んで落石、みたいな図式。

特に下山時は、疲労でふらついたり、登頂した達成感からの気の緩みもあるかもしれません。
さらに登山者が多く渋滞で時間が押して焦ってしまったり、天候が悪化してしまえば難易度が上がってしまいますね。


最後は草付きの緩い斜面を登ります。
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自分が空に近づいているような錯覚。
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見えた!涸沢に来る度にちょこんと見えていた建物。
下から見上げていたときは小さなマッチ箱のように見えていたのに、
立派な建物です。
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穂高岳山荘に到着です!
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ポイント① ゆっくり登ること

理由は、浮石を確認しながら登ることと、急いで岩に無理な力が加わると動いてしまうからです。
いずれも落石を起こさないためです。
ルートも丁寧に確認しながら登らなければ外れて滑落になるケースが多いようです。
なのでガシガシ登らず、ゆっくり、ゆっくり。

周囲の音や、自分の前後の登山者との距離に敏感になります。
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ポイント② トレッキングポールは使わない

トレッキングポールは使っても取付きまでです。
昨年秋は、浮石にポールを着いた方がバランスを崩し滑落してしまいまいました。
滑落後、怪我により行動不能となり、低体温症で亡くなってしまいました。
警備隊の基地でもポールを使わないよう呼びかけていました。
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ポイント③ ヘルメットの着用

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滑落、落石の危険を考えれば、絶対必要です。
私はこの後、恐怖の現場を目の当たりにしました。
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昨日もザイテンから滑落がありました。
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遭難者のヘルメットの状況。
後頭部からばっくり割れ、滑落の衝撃がわかりますね。
このヘルメットの持ち主は手足に怪我を負ったものの、頭部に深刻な損傷は無かったそうです。
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※長野県警HPより

chi-sk8.hatenablog.com

ヘルメットは必須と言い切れますね。



穂高岳山荘~奥穂高岳

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すぐに二つハシゴが現れます。
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50メートル程を垂直に登りますので高度感があります。

ポイント④ 行列

行列が出来ていました。
登る人、降りる人で声を掛け合っています。
日陰で待ち時間ができるため、そこそこ寒くなります。
ソフトシェルを着ておいて正解でした。
この渋滞を考慮した時間計画が必要です。

この後右に巻くクサリが2箇所あります。
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ちょっと緊張します。


その後も浮石に注意しながら緩い稜線を登ります。
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錆びたピッケルの道標
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標高3190m
北アの主峰。
日本第三位、祠の上は第二位の標高。

そこに向かっていることを一歩一歩感じながら、大切に登ります。
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ジャン様が見えました。
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天気にも恵まれて、素晴らしい山行です。


ブロッケン現象も。
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そしてついに・・・!
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山頂です。
嬉しいというより、ほっとします。
達成感というより、日常生活の結果の一つに感じます。
何故か特別な感じがしません。
不思議な気持ちです。
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普段「あぁ、もう全部嫌だなぁ」と思いながら働いて、厭世的になっていて、それでも「山のため!」と頑張っています。
でも、「山のため」なんて、楽しみのために嫌なことを頑張るのはきっと間違いでなんですね。
純粋に100%山を楽しみたいと思いました。
じゃないと下界が嫌になってしまうから。
私のは無責任な借り物の哲学で「○○のために頑張ろう」てのは、「家族のため」とか「好きな人のため」って方が正しいんじゃないかなと思います。
だから登頂したのに、いつもと違う感覚なのかもしれません。
今回の収穫です。


みんな笑顔。
写真を撮る人。
おにぎりを食べている人。

下界では、渋々歩み行く毎日に、
嬉しかれ、悲しかれ、
単なる地球の出っ張りに来れば、
ひとつの山塊に、一人ひとりの頂があるように見えました。
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この後は、なんとこのままジャンダルム編につづきます!
chi-sk8.hatenablog.com

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