登山女子のぽんこつ日記~はじめての登山やコース、装備など~

登山のこと、山道具のこと、いろいろ紹介します。

雪山の山小屋泊[木曽駒ヶ岳/宝剣山荘]ご来光を見る

木曽駒ヶ岳 雪山小屋泊登山

年末恒例の木曽駒ヶ岳、宝剣山荘に泊りに行ってきました。
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昨年は
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一昨年は
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さて、今年も宝剣山荘が営業するということで、早速予約しました。

宝剣山荘の冬季料金

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冬季は、一泊二食付きで11000円です。
水の確保は、取水場所が凍ってしまうため、水は持参です。
小屋でもペットボトル飲料、ビールが販売しています。

小屋の中は、開荘日は暖まりきっていないので、ちょっと寒いですが、二日目以降は、フリースで過ごせる程度の暖かさで快適です。


いつもはテント泊なので、本当に天国のようです。

千畳敷へのアクセス

菅の台駐車場
おなじみの菅の台バスターミナルの駐車場。
冬季ということもあり、十分スペースがあります。
のんびり支度して、9:00のバスに乗り込みます。
途中タイヤチェーンを装着したバスに乗り換えて、ロープウェイのしらび平駅に到着しました。
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足下が滑るので気をつけて。

ロープウェイで数分間の空中散歩です。

千畳敷に到着。
気温は-12℃
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トイレを済ませ、登山届を提出します。
冬季専用の出入り口があります。
ベンチもあり、素手でアイゼンが装着できるのはありがたいですね。
遭対協の方に装備をチェックしてもらいます。

雪山登山の装備

木曽駒ヶ岳はロープウェイで気軽にアクセスできますが、立派な高山です。
千畳敷だけをスノーハイクするのとは違い、一歩登山道に入ると、かなり難易度の高い登山になります。技術、知識に加え、装備もしっかり。

・ヘルメット・・・自分が滑落、あるいは上からの滑落もあるため、必須です。私のはペツル/エリオス
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・ピッケル・・・ないと登れません。滑落停止はもちろん、八丁坂は急傾斜で凍っていますので必須です。

・アイゼン・・・ないと登れません。前爪のあるものが必要です。足の小さい女性は10本爪がオススメです。

・グローブ・・・もはや定番!防寒テムレス+薄手のウールインナー。ピッケルが冷えて持っている指先が凍りました。
        ※もちろん予備の手袋を持っています。

・スパッツ・・・モンベルのゴアテックスのもの。雪が靴に入る程の場所はありませんでした。どちらかというと、アイゼンの爪でパンツを破くのを防ぐために履いています。

・ハードシェルジャケット・・・ノースフェイス/マウンテンジャケット(重たいですが、頑丈です)

・オーバーパンツ・・・モンベル/アルパインパンツ(よく破くので、ゴアテックスで安いのはコレが一番!細身のもかっこいいですが、膝の動きが楽なサイズで)

・ネックゲイター・・・モンベル/ネオプレンフェイスネックゲイター(ニット帽と合わせて顔面を覆う方が便利なので、バラクラバではなくコレ)

・サングラス・・・おすすめは、オークリー。曇り~晴天までこれを使っています。今回は裸眼で登りました。
選び方は↓
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・ゴーグル・・・登りは汗で曇るので使いませんが、ブリザードの下山用に持っています。
        私のはスキー用と共通で、オークリーのもの。レンズはPRIZM HI PINK IRIDIUM。私は光に強い方なので、透過率の高いものを使っています。伝説のVR50 PINK IRIDIUMに近い色で、日本人の目に合っていると思います。最近流行りの大きすぎるフレームはヘルメットに干渉しますので、やや小ぶりのモデルを選びます。

・折り畳みスコップ、ゾンデ棒、ビーコンは雪崩対策に必須です。
       
・他の装備は、こちらも参考にしてください↓
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千畳敷から乗越浄土

いよいよ外へ!
風はそれほど無いですが、なかなかガスが出ています。恐れる程ではありません。
今年は例年の1/3程の積雪量で、かつ暖冬ということもあり、雪面も凍っていません。

宝剣山荘、いざゆかん!
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千畳敷から宝剣山荘
冬季は千畳敷を右から巻くように進みます。
久しぶりのアイゼン歩行。
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踵の爪をひっかけないように、意識して歩きます。

パフッ、パフッと粉雪を踏みしめる。
うんうん、この感じ♪足の裏から伝わる優しい冷たさ。

乗越浄土手前の壁を目指します。
すぐに汗ばんできますので、上着のジッパーを開けます。

例年はすっかり雪に隠れてしまう樹々や岩がまだ頭を見せています。

ヘルメットは大袈裟に見えるかもしれませんが、オットセイ岩を越えると、例年ガチガチに凍っていますので、必須アイテムです。

段々とつま先の角度がキツくなります。
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トレースはありますが、所々踏み抜く箇所も。
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いつもと変わらず宝剣を見上げるオットセイ岩を過ぎると、風が強くなります。

ピッケルを握った手がビリビリしてきます。
今回は薄いウールの手袋に、防寒テムレスを使いました。
いつもこれで頑張っていますが、今回はちょっと厳しかったですね。
(勿論しっかりしたグローブも持参しています)
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下山してくる人に気を付けながら進みます。
アイゼンを履いたまま尻セードしてくる人がいて冷や冷やします。
怪我しないといいなぁ。

段々と雪面も硬くなってきました。
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例年のようなアイスバーンではありませんが、なかなか怖い。
トレースも複数に分散されていますので、自分の力量に合わせたルートを進むと良いと思います。

パートナーは直登して苦戦しています。
私は、左の管理小屋の方にチャレンジしました。
例年はこっちはツルツルガチガチのアイスバーンで危険ゾーンです!
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脛とふくらはぎがパンプしかかりながら、乗越浄土に到着です。

まつげもザックも凍ってしまいました。
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髪の毛も真っ白で、まるで雪夜叉のようですね(怖)
風が!
看板についたエビの尻尾も例年以上に立派に育っています。

さて、可愛い青い屋根の宝剣山荘へ向かいます。

宝剣山荘での過ごし方と服装

小屋開けは支配人さん一人で行うと言っていたのですが、すでに入口の除雪が終わっています。
この作業を重機も使わず、たった一人で!凄い!

小屋の玄関にもコンパネが敷いてあるので、そこのベンチに腰かけてアイゼンが外せます。
宝剣山荘のおもてなしですね。
ありがたいですね。

宝剣山荘でくつろぎタイム。
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結露した窓
石油ストーブの匂い
発電機の音
どれも人の営みを感じて心が温かくなります。


支配人さんにご挨拶を済ませ、お昼ごはんにします。
コンビニで買った海苔巻きはキンキンに冷えています。
山専ボトルの熱湯でお味噌汁を作ります。

晩ご飯まで、私は国家試験の勉強。
パートナーは装備を固め、お散歩に出かけました。
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外の気温は-19℃

毎年お会いする山岳写真の皆さんもお元気そうです。

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山小屋でゆったり流れる時間はとても贅沢ですね。
下界ではいろいろなことに忙殺されて、何もしない時間なんてありません。
ここでは、何もせず、外の風の音を聞いたり、時々他のお客さんとお話したり。
稜線に沈む夕日と、夕闇と共に訪れる強風を感じたり、自然をこんなに身近に感じるのも、小屋泊の魅力ですね。
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そしてなんと言っても一番の楽しみ、18時、いよいよ晩ご飯です。

常々思うのですが、山の上で揚げ物が食べられるのは素晴らしい!(笑)
テンションが最高潮になり、ついつい『浪速恋しぐれ』の岡千秋さん調の台詞が山荘内に響き渡ります。

「そりゃワイはアホや。揚げ物も食べるし、コーラも飲む!
せやかて、それもこれも、みんな登山のためや。
今にみてみぃ、ワイは日本一になったるんや!
日本一やで、わかってるやろ宝剣!
なんやその辛気臭い顔は!
揚げ物や!揚げ物や!揚げ物もうてこ~い!」

             
宝剣山荘は揚げ物が豊富に出ます。
そして、お米が最高に美味しいのもウリです!!

じゃーん!
夢のメニューです!
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もちろん、おかわりしました。

消灯の時間が近づきましたので、外で歯磨きをします。
山専ボトルのお湯の残りが知覚過敏に優しい(苦笑)

強風に流されるガスの合間に、優しく光る星が見えます。

伊那前の稜線の向こうには宮田村の灯りが瞬きます。

身体が冷える前に、割り当てのお部屋に向かいます。
ギシギシと階段を上り、2階へ。
布団を敷いたら、中にシュラフを。
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厳冬期用のシュラフのおかげで、快適です。
快適に眠りたかったので、ユニクロのステテコに、ロンT。
朝の寒い着替えに備えて、着替えは布団の中にしまいます。

これがテント泊だったら、着の身着のまま、ダウンジャケット、ダウンパンツに象足、ニット帽も被ったまま。
さらに靴も凍らないようにレジ袋に入れてシュラフの中に。
カメラのバッテリー、スマホ、飲み物、コンタクトレンズ。とにかく凍ったらダメなものを全てシュラフの中に入れて眠るので、とても窮屈になります。

消灯に合わせて、発電機が止まると、静寂に包まれます。

明日はご来光が見られるかな?と考えながら眠りがやってくるのでした。

いよいよ御来光

12/30

5時半起床。
日の出は6時55分頃。

お気に入りの、中岳から眺める計画です。

寒さに耐えなきゃいけませんので、ビレイヤーダウンを羽織っていきます。
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サクッ、サクッと雪面を踏みしめながら中岳に向かいます。

中岳の頂上付近は、風を避けるのに丁度良い岩がありますので、助かります。
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振り返ると、だんだんと空が白んでました。
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富士山の影もはっきりと見えます。

ブルーモーメントの空が、刻々とオレンジ色に変化します。

富士山の後ろから、真横に光が広がったと思った次の瞬間、幾筋もの光芒が天空に放たれ、ご来光が姿を現します。
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寒さも忘れ、「あぁ」と声が漏れます。

山全体が金色に照らされます。
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伊那前から宝剣、天狗岩。
そして鞍部に風雪に耐える宝剣山荘の青い屋根。
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一番好きな眺めです。

大きな裾野をひろげる御獄山。
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駒ケ岳もピンクに染まります。
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太陽の光がこんなに温かいなんて、ここに来なければわからいだろうな。
太陽に入れ替わって、風も弱くなります。
昔の人が、太陽をありがたく感じていた理由がなんとなく分かる気がします。
さて、朝ごはんの時間が近づいてきましたので、戻ります。

山岳写真の皆さんも、思い思いの場所で撮影しています。
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宝剣に登っている人も。
寒さに耐えて、しかも重たい撮影装備を背負ってくるなんて!

小屋に戻ると、お楽しみ第二弾!
朝ごはんです。
じゃーん!
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どれも美味しい。
またまたおかわり(汗)

和合ノ頭

今日はかなり天気も良く、雪面のコンディションも良いので、伊那前の手前、和合ノ頭2911メートルまで行くことに。

伊那前は、昨年も一昨年も滑落事故がありました。
強風の吹き荒れるスポットで、雪面がカリカリに凍りますので、なかなかやる勇気がありませんでしたので今年はチャンスです。
支配人さんにルート取りのアドバイスをもらったら、勇気100倍!

和合ノ頭、いざゆかん!
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序盤はゆるやかなトラバースですが、日陰の部分は凍っていますので要注意です。
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逆に日向に寄りすぎると千畳敷に落ちてしまうので、前の人のトレースをさらに踏み固めながら。
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アイゼンもしっかり効いています。

和合ノ頭手前は、岩稜ゾーンを進むと安心です。
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あっという間に到着です!
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このまま伊那前まで行こうか迷いましたが、風に怯んでしまいました。

それでも、ここから眺める宝剣岳もカッコいいですね。
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頑張って伊那前までやろうかな?
ほんのちょっとなんだよなぁ・・・。
でも怖いなぁ。
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こんなときは無理は禁物。悩んだら諦めるのが鉄則です。
慎重に戻ります。
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小屋に戻って、今日登ってくるもう一人のスタッフさんにご挨拶するため、コーヒーを飲みながらのんびり待ちます。
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気温はどんどん上がって-13℃
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外を眺めに出ると、乗越から巨大なザックを担いだ人が!
力持ちのスタッフさんです!
ガッシャブルムに、さらに雨蓋の間に別のザックを挟んでいます!
凄い!
今日から小屋入りだそうです。
支配人さんと力持ちのお兄さんにご挨拶をして下山します。

恐怖!八丁坂の下山

出だしは例年のガチガチのアイスバーンでかなり怖いですが、今年は歩き安い。


後ろで「危なッ!」の声がするので振り返ると、パートナーがピッケルリーシュに足を引っ掛けて転んでいます。
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急に恐怖心が出てきました。

昔は走り降りたりできたのに。
滑落してもどこかで止まるでしょうけど、誰かを巻き込むのが怖い!

アイゼンが信用しきれず、かなりペースが落ちてしまいます。
少しでもお尻をついたら、恐怖心に負けて二度と立ち上がれなくなってしまいます。
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バックステップで降りても良いのですが、それではトレーニングになりませんので、基本に忠実にカニ歩きで。

オットセイ岩を越えたらもう安心です。
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雪山の下山は膝には優しいのですが、怖がるとなかなか疲れます。
そして最後のトドメはホテル千畳敷までの登り!
いつもここが一番キツい(苦笑)

千畳敷に到着です。
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これから登る人たちもたくさん。
羨ましい。

おいでなんしょ!木曽駒ヶ岳&宝剣山荘!

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