登山女子のぽんこつ日記~はじめての登山やコース、装備など~

登山のこと、山道具のこと、いろいろ紹介します。

パタゴニア

雪山最強のグローブ!「防寒テムレス」と「スプリンゲン・トリガーミトン」比較

雪山登山のおすすめグローブ!

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※場所は年末木曽駒ケ岳。

www.chillpaine.com

 標高2612mから2956m。

 気温 -1℃~-10℃

 

ベストはウール+オーバーグローブ!

雪山登山のグローブ選び、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

私もこれまで色々試してきました。 

結論から言ってしまえば、未脱脂ウールの手袋にゴアテックスのオーバーグローブの組み合わせには敵いません。(安心感という意味で)

 

寒い場合には薄いウールのインナー手袋を追加したり、ミトン型のオーバーグローブを追加すればどんな環境でも対応できます。

このセットを予備として必ず持って行きます。

ビバーク中に手袋が凍ってエライ目に合ったことがあります。

 

お気に入りは防寒テムレス 

私はここ数年防寒テムレスを愛用しています。

山岳警備隊も使っている信頼のグローブ!

パタゴニアの公式ホームページの動画にも出ています。

ウレタン製で-60℃でも硬化しないそうです。

防寒性も防水性もバッチリで、作業性も完璧です!

価格も2000円ちょっとなので、劣化してもすぐに買い替えできます。

実際頻繁に使用していると、一体型のインナーボアが剥離して、脱ぐときに外に飛び出してきます。

 

今回は新発売のブラックカラーを試してみました。

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ブルーよりスタイリッシュな気がします。

個人的には山では青のほうがシブイ!

スキーでは黒ならゲレンデでも浮かない、と勝手に使い分けています(苦笑)

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今回は気温マイナス10℃程。

インナーに薄手のウールの手袋を装着しています。

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 タッチパネル対応で、薄手ですが温かいので、風が無い日差しのある行動中などはこれ一枚で過ごすこともあります。

難点は耐久性。マジックテープですぐに破れたりします(泣)

 

このぐらいの気温で、行動中であれば、テムレスだけでもピッケルの冷たさも感じません。

さらに気温が低いときは、サイズを上げて、厚手のウールのインナーを追加します。

ちなみにサイズはLサイズを使用しています。

 

汗で湿っても、ボアなのであまり濡れているように感じません。

 

操作性は、カメラで実験。

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小さな電源ボタンも慣れれば問題なく押せます。

シャッターは楽勝。

 

他、アイゼンを装着したり、ザックのバックル、ハードシェルのジッパーなど、細かな作業も得意です。

 

また、ゴムの表面がザラザラしているので、テントに着いた雪や霜を擦り落とすのも便利です。

 

※注意!

 ・もちろん予備にはウールの手袋とオーバーグローブを必ず持って行きます。

 ・クライミングには使用できません。ビレイデバイスに食い込む事故があったそうです。

 

テムレスのライバル、「スプリンゲン・トリガーミトン」

続いてスプリンゲンのトリガーミトンをレビューします。

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実はこれはスキーで使用していたのですが、かなり調子が良いので、雪山に投入してみました。

パートナーは山行通してコレを使いましたが、快適だったそうです。

テムレスと同じくポリウレタン製で透湿性も変わらないそうです。

 

一番の特徴は、人差し指が独立したミトン型。(トリガーミトン)

ピッケルも普通に掴めます。

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操作性を犠牲にせず、中指~小指がミトンになっていることで、温かさが全然違います。

親指、人差し指が冷たくても、他はポカポカ。やはりミトン型は効果があるんですね。

 

そして、このグローブはインナーが脱着できますので、濡れてしまっても、インナーだけ別のものに交換し、濡れたインナーを服の中で乾かすことも可能です。

もちろん洗濯も可能!

防寒テムレスの比べ、汗で湿った場合は、濡れた感じを強く感じます。

恐らくボアの方が表面と皮膚の触れる面積が小さいためだと思います。

 

雪山をやる人なら「VBLシステム」という名前を聞いたことがあると思います。

簡単に説明すると、透湿性のないグローブや靴下で、内部の湿度を飽和状態(びちょびちょ)にすることで、それ以上発汗せず温度が下がらないというもので、極地で使用されているシステムです。

しかし手袋を外した瞬間に凍りますので、一般人には難しいシステムと言えます。

 

確かにニトリル手袋(薄い使い捨てビニール手袋)の上に、タフレッド(作業用の背抜きポリウレタンコート手袋)の組み合わせはかなり温かいですね。←宝剣山荘のスタッフさんに教えてもらいました。

 

このVBLシステムのグローブ、山岳スキーヤーの新井裕巳(故)さんが作ったのですが、その原型がなんとこのスプリゲン・トリガーミトンなのです。

 

作業性をカメラで試す。

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インナーと別体のぶん、隙間ができて、多少ダブつくので、テムレスには劣りますが、慣れれば問題なく快適に使えます。

また、テムレスに比べ、表面はツルツルなので、グリップ力はテムレスに軍配が上がります。

 

価格は4000円ちょっと。

 

防寒テムレスとトリガーミトンのサイズ感

トリガーミトンのサイズ展開は最大がLまでですが、私の場合はテムレスのLとトリガーミトンのMが同じくらいでした。

私の手は、標準的なサイズで、肉厚、指が短いです。

でもインナーグローブを追加するので、オーバーサイズにしています。

そもそもウールグローブにオーバーミトンをはめると、かなりゴワゴワ、ダブダブなので、それに比べると、防寒テムレスもトリガーミトンも、とても操作性が良いです。

逆にぴったりサイズを選んだ場合は、内側のボアのロフトが潰れてしまい、寒くなります。

 

ちなみにカフ部分はトリガーミトンの方が狭く、雪の侵入にも効果がありそうです。

 

トリガーミトンの細かなサイズ表記がなかったので、メーカーに問い合わせました。


丁寧に表まで提供してくださり、他にもいろいろ相談に乗ってくれて、親切でした。

 

テムレスとトリガーミトンの比較

<温かさ>

テムレス・・・・・・〇

トリガーミトン・・・◎

 

<蒸れ感>

テムレス・・・・・〇

トリガーミトン・・△

 

<操作性>

テムレス・・・・・・◎

トリガーミトン・・・〇

 

<価格>

テムレス・・・・・・◎

トリガーミトン・・・〇

 

<洗濯>

テムレス・・・・・・×

トリガーミトン・・・〇

 

結論

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比較的暖かいところではテムレス、寒いところではトリガーミトンと使い分けると良いと思います。

 

でも必ず予備は持たないと怖いですね。(実際に手袋が凍った経験上)

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