西穂高 日帰り 上高地ルート
10月30日(土)
紅葉真っ盛りの北アルプス、西穂高岳に、上高地から日帰りで登ってきました。
あまりメジャーではないルートで、体力的にはなかなかハードでしたが、最高の秋晴れの中、気持ち良い山行となりました。
西穂高 日帰り登山
上高地から西穂独標まで
こちらの記事をご覧ください↓
西穂高独標からピラミッドピーク
9時30分、西穂高岳、いざゆかん!
独標(11峰)からは順に、10峰、9峰、ピラミッドピーク(8峰)と進みます。
ここからはヘルメットは必須アイテムです。
早速、西穂高方向から、ガラガラと落石の音が聞こえてきました。
渋滞になったらさらに危険が増すでしょう。
緊張します。
西穂高岳、いざゆかん!
西穂高の難易度
危険個所は、4箇所です。
まずは独標(11峰)からの下り
・10峰からの下り
・9峰からのやせ尾根のトラバースと、
・下り
と、いきなり難所が現れます。
ジャンダルムの馬の背で麻痺していましたが、冷静に考えると、特に、9峰からのトラバース&下りは高度感があり、足場が悪かった気がします。
難易度はそれほど高くありませんが、天候が悪くなれば一気に怖いルートになりそうです。
岩場歩きに慣れていないと、このピークの連続は時間がかかるかもしれません。
ピラミッドピーク(8峰)に到着です。
あの三角の天辺に立っていると思うと嬉しさでニヤニヤしてしまいます。
こんなにギザギザの岩峰のピークを踏み続けて進むなんて、贅沢ですね♪
ピラミッドピークからチャンピオンピーク
ピラミッドピーク(8峰)からは、7峰の直下がトラバースになっていて、鎖があります。
高度感はありませんが、緊張します。
6峰
5峰
あ、あんなところお地蔵さんが佇んでいます。
「たぬき岩」ということはお地蔵さんではなかったんですね(笑)
チャンピオンピーク
なんとなくガッツポーズしたくなる場所です(笑)
チャンピオンピークから西穂高岳
ここからは、小さなピークを通過して、
3峰
2峰
最後の急斜面。
ここが足場が丁度良いところに無く、ベタ足と腕力で登りました。
気がつけばボトルネック状態で登山者が集中して、ちょっとした渋滞。
細かな岩屑も散在していて落とさないように緊張します。
手足の短さは、母方DNAの仕業。
きと先祖はドラえもんかグーグーガンモだったに違いない(笑)
11時00分
独標識から1時間30分、
西穂高岳、登頂!
前方にはジャンダルム。
ついこの前登ったのに、もう懐かしい気がします。
このまま縦走できたらどんなに楽しいことだろう。
ひーひー言いながら、重たい装備で峰々を渡り歩けたら、素敵な景色が沢山見られるんだろうな。
その奥にちょこんとあるのは奥穂の祠。
右前のドーンという壁が吊り尾根ですね。
眼下には岳沢が見えます。
さらに、右に回ると梓川が見えます。
意外と近くて、いかに短時間で標高を稼いだか実感します。
左前には槍。
左後ろは笠ヶ岳。
真後ろにはずっと見守ってくれた焼岳。
その奥の乗鞍岳。
せっかくなので、ここでお昼ごはんにします。
山頂は狭いので、これ以上混んできたら座っていたりしたら迷惑になってしまいます。
大々的に料理はできないので、バナナとおにぎり。そしてまたバナナからの饅頭(笑)
くそ~っ!お味噌汁が飲みたい!
せめて山専ボトルにお湯だけでもあれば!
あ、日帰りの場合はタイガーのサハラマグが軽くておすすめです。
保温力も山専ボトルに迫る能力です。
登ってくる人みんな嬉しそうです。
フルサイズ一眼を担いで来た人、
子どもと一緒に登ってきた親子、
年配のご夫婦、
単独できていたスタイリッシュなお姉さん。
いろいろな人が、いろいろな楽しみ方をしています。
共通しているのは、みんな本当に山が好きなんだなぁってこと。
それぞれの山頂が、眩しく輝いています。
西穂高岳では、ヘルメットを被っていない人の方が少ないです。
西穂山荘の宿泊者にはレンタルもあります。
岩ヒバリもやってきました。
西穂の岩ヒバリは凛々しい顔つきです。
気温は0℃近いはずです。
薄手のダウンを着ている方もいました。
山頂で長居したり、寒さに弱い方は持ってくると良いと思います。
私もザックに入っています。
おすすめは化繊のインサレーション。ダウンは濡れたらロフトが潰れて保温しなくなってしまうから。
クライマー御用達の万能ビレイヤージャケット、ナノパフを愛用しています。
太陽が当たると暖かく、目の前が陽の光で白むと、空の青さは消えて無くなり、散らかした輝きの粉の中に峰々の輪郭が浮き出てきます。
眩しさに目をつむってみると、瞼に透けて雲の動きを感じます。
谷に当たった風が岩峰を駆け上がり、巻きながら頬を撫でて行くのがわかります。
新しく目を開いては、空が目に見えない速度で、ゆっくりと落ちかかってくる気がします。
最高だね♪
下山
11:30
名残惜しいですが混雑する前に下山開始です。
これまでは下りのポイントが難所でしたが、今度は登りと下りが逆になりますので、気を引き締めます。
でも往路とは違った雰囲気が楽しみでもあります。
下山の核心
いきなり本峰からの下りが怖い。
ホールドはあるのですが、凹凸が少なく、一枚岩のような雰囲気があります。
ザイルを取り出して肩絡みで確保し合っているパーティーがいましたので、しばし待ちます。
なんとなく滑る感じ?
ホールドの間隔も広く、嫌らしい下りです。
本峰直下まで行けば、一安心です。
笠ヶ岳と焼岳が交互に現れます。
絵に描いたような稜線。
お尻をついて、ピョンと降りられそうなところも、今回はザックが邪魔なので、バックステップになる場面が多く、結果時間がかかってしまいます。
向こうからどんどん登ってくる人がいます。
高度感があります。
どこまでも歩いていけそうな気持ちよさ♪
独標の頂上にもたくさんの人が見えます。
ガラガラと小さな岩の敷き詰められた登山道は、油断するとグキッと足首をひねりやすいので注意ですね。
やっぱりここのトラバースはちょっと緊張します。
上ったり、下ったり。単純な動作の繰り返しですが、同じ動きで流れる景色。
楽しい♪
ここまで来れば西穂山荘が見えてきます。
あとちょっと。
西穂山荘に戻ってきました。
ロープウェイからのお客さんがたくさんいました。
西穂山荘の標高は2367メートルだったんですね。
少し休憩、というかまた食べてしまいました(笑)
樹林帯は暗くなると怖そうなので、ぼちぼち出発します。
ここからは樹林帯をのんびり行きます。
なんだか長く感じるなぁ。
こんなに登ったっけ?
木の階段は、一段一段が高さがあるので、下りは踏み外しそうになります。
衝撃が膝に堪えます。
トレッキングポールがあったら楽ちんでしたね。
花谷泰広さんも使っているKOHLAは頑丈です。
1時間ちょっとで登山口に戻ってきました。
まとめ
コースタイム
上高地---西穂山荘・・・2時間
西穂山荘ーーー西穂高独標・・・1時間
西穂高独標ーーー西穂高岳・・・1時間30分
西穂高岳ーーー西穂山荘・・・2時間
西穂山荘ーーー上高地・・・1時間
朝6時に登り始め、下山したのが14時過ぎでした。
山頂では長めに過ごすことができましたし、途中途中こまめに休憩をはさみました。
上高地から西穂山荘はそれなりに体力が必要ですが、それほどキツさは感じませんでした。
何よりほとんど人のいないルートなので、余計な気を使うこともなかったのがおすすめポイントですね。
もちろんコースタイムは個人差がありますので、まずはロープウェイを利用して登ってみると良いと思います。
難易度
独標までは、北アルプスデビューの人でも穂高の雰囲気が楽しめるルートです。
穂高では珍しくハイマツの緑も多く、長閑な景色からスリリングな岩峰まで、山の魅力が盛りだくさんでした。
独標から西穂高岳本峰まではいくつものピークを超える岩の殿堂といった雰囲気です。
難易度は他の穂高連峰に比べると低いですが、油断すると大変なことになりそうです。
自分が、気を付けていても、他の登山者の落石に巻き込まれるかもしれませんし、天候が悪化すれば一気に難しい山に変化してしまいます。
岩場歩きは体力や根性だけでは上手く登れませんね。
慣れている人を見ると、本当にスタスタと登っていて、経験が大事だなと思いました。
また、いつものことなのですが、手足の短い(私は特に)人は下りでお尻を着いて下りようとするとザックが地面に当たって、前のめりに転倒しやすくなってしまいます。
必然的にバックステップになる場面が多く、結果時間がかかってしまいます。
上高地からのルートはロープウェイ利用者との渋滞に重なることも少なく、マイペースでの山行でした。
西穂高岳、I'll be back.