バックカントリー向けヘルメットのおすすめモデル
最近はゲレンデでもヘルメットを着用している人を見かけるようになってきました。
海外ではヘルメットの装着率は90%以上とも言われています。
私の場合は、登山の下山時にちょっとスキーというシチュエーションでは、登山用のヘルメットをそのまま使っています。理由は軽いから。
しかし登山用のヘルメットは上からの落石対策が主で、あとは、滑落時の安全に配慮した形になっています。
スキーでの使用を想定すると、後頭部、側頭部の安全性はそれほど高く設計されていません。
・スキー/スノーボード ヘルメットの必要性
バックカントリーでは、樹林帯の木の枝にぶつかったり、隠れている岩に頭から突っ込んだり、雪崩で頭部を叩きつけられたりと、実際に色々な事故報告があります。
ゲレンデでも他の人とぶつかったりすることは良く起こる事故です。
有名なF1レーサーのミハイル・シューマッハもスキーの事故で大怪我をしました。幸いヘルメットを被っていたおかげで死なずに済んだのは有名な話です。
スキーは中級程度でも時速50~60キロ程度のスピードが出ています。
スノーボードはそれ以上。
上級者はさらに上!
ゲレンデでは信号も無く、厳密なルールも免許もありません。
そのような場所を自動車と同じ速度で滑っているなんて、どれだけ危険か想像できると思います。
コケる=交通事故です!
せっかく楽しみでやっているのだから、安全が第一ですね。
頭部の傷害は後遺症になることもあります。
人生にとって致命的な怪我、最悪のケースでは死亡事故につながることもあります。
ということで、スキー用のヘルメットの選び方とおすすめモデルを紹介したいと思います。
・アジアンフィット
まずは、サイズ選びになります。
頭のサイズをメジャーで測ります。
測定する箇所は、耳の上を通って、平行に一周させます。おでこの一番出っ張っているところと、後頭部のいちばん出っ張っているところを通過したところがサイズになります。
GIROのHPによると、こんな感じです。
※http://www.giro-japan.com/info/howto.htmlより画像転載
そして、適合するサイズを選択するのですが、大事なのはニット帽を被る人!
そう、ニット帽の上から装着する場合は、その厚みぶん大きいサイズを選びます。
なのでニット帽を被ってサイズを測定します。
ヘルメットは、だいたいS、M、Lのサイズがあって、それぞれ内側を締めつけたり緩めたりする機構がついていますので、その範囲内に該当するものを選ぶと良いと思います。
どんな高性能のヘルメットでも頭の形に合っていないと、その安全性能が発揮されません。隙間があったりすると、衝撃が上手く吸収されません。
日本人の頭は、欧米人に比べ、頭上からみて横に長くなっているそうです。調整機能でいくら締めてもフィットしません。そこで、アジアンフィットといって日本人の頭に合ったモデルをラインナップしているメーカーもあります。
試着してみて、自分の頭に合ったモデル選びが大事です。
・通気性
スキーはかなり汗をかきます。
特に、バックカントリーのハイクアップでは、汗だくで、頭から湯気が出るほどです。なので、ベンチレーションという通気口のたくさん開いているモデルが良いです。
・安全性
ヘルメットの安全性の基準となる規格には、アメリカのASTMとヨーロッパのCEがあります。この規格に適合しているモデルでしたら大丈夫でしょう。
メジャーなメーカーのモデルでしたらほとんど適合しています。
また、最近はMIPS(Multi-directional Impact Protection System)というシステムが開発され、いくつかのメーカーのヘルメットに導入されています。
MIPSを簡単に説明すると、斜め方向からの衝撃等に対して、ヘルメットのインナーが回転して(ずれて)衝撃を吸収するシステムです。
例えるなら、ヘルメットのアウターが頭蓋骨で、インナーが脳だとイメージすればわかりやすいと思います。
しかしこのMIPSは非搭載モデルに比べ、若干重量が増します。そしてお値段も増します。
自分の滑り方に合わせて検討すると良いと思います。
・重量
重量は、スペックを見ただけではわかりません。できれば実際に試着してみると良いと思います。高価な軽量モデルとコスパ重視の多少重いモデルが、試着してみるとほとんど差を感じなかったり、数値上は重たいはずなのに、フィット感によって軽く感じたりします。
1万円以上のモデルでしたらそう違いは感じないかもしれません。
・パッドの取り外し
通気性の項目でも書きましたが、スキーはかなり汗をかきます。私は5月頃まで滑りますので、内装や耳あてが取り外せて洗えるモデルを選んでいます。
せめて耳だけでも取り外せると、バラクラバ(目出し帽)の上から装着しても耳が聞こえます。
雪面の落石はほとんど無音で落ちてきますし、雪崩の音もいち早く聞こえて察知できないと怖いです。
・おすすめモデル
ということで、おなじみの神保町を徘徊していろいろ試着してきました。
これは良い!と思ったモデルを紹介します。
1.GIRO NINE
GIROは、ゲレンデでもバックカントリーでも一番見かけるモデルではないでしょうか?ヨーロッパっぽいイメージがありますが、アメリカのサンディエゴ発のブランドです。
「サンディエゴ」というだけで西海岸のハードコアなイメージが、ビッグマウンテンのエクストリームにぴったりです。(意味不明でごめんなさい)
アジアンフィットがラインナップされていますので、頭にもピッタリ。
NINEは、性能と価格のバランスが良く、前述のMIPS搭載のモデルもあります。
ベンチレーションの穴も多く、内装も取り外し可能です。
2.GIRO JACKSON MIPS
NINEより高価ですが、恐ろしくカッコいい♪
スポーツカーからヒントを得た空力特性を応用したベンチレーションシステムが秀逸なようです。
スノーボーダーにも違和感のないデザインですね。
動画を見ただけでワクワクします。
お金に余裕があったらコレにしてたかもしれません。
3.SALOMON QST CHARGE (MIPS)
サロモンはどのモデルもスッキリしたシルエットなので、スタイルが良く見えます(笑い)
ビーズ状の衝撃吸収素材を使った特許技術で、安全性能が高いそうです。
クエストシリーズは、バックカントリー向けに開発されていますので、軽さ、通気性も良いです。
MIPS搭載モデルもラインナップされています。
このモデルは、大きなベンチレーションが特徴です。
そしてインナーには、天然エアコンと言われるメリノウールを使用しています。
4.SALOMON MTN LAB
こちらは、スキーだけではなく、クライミングの落石も想定した安全性と、軽さ、かなり大きなベンチレーションがたくさんあるので魅力です。
前述のメリノウールを使用した吸水速乾インナーが快適です。
5.OAKLEY MOD5
オークリーのヘルメットは、ゴーグルとの相性を良くするため、ヘルメットのバイザー部分が交換できるようになっています。
インナーも取り外しができます。
私の好きなカイ・ピーターソンが使用しているというだけでも欲しい一品です!
こいつにモンスターエナジーのステッカーでも貼ったら相当カッコイイはずだ!(笑)
・GIRO NINEのレビュー
ということで、購入したのはGIROのNINE(MIPS非搭載モデルです)
一番の決め手は、フィット感です。
アジアンフィットはさすがです。
そしてコスパの良さ。他の超高額モデルと比べても、機能、質感、被り心地は負けていません。
私の条件、
・アジアンフィット
・通気性
・安全面
・取り外して洗える内装
・ゴーグルとの相性
・低予算
にぴったりです。
厚手のニット帽の上から被ります。ヘルメットはLサイズで、調整は一番締めてあります。
後頭部のこのダイヤルで調整します。クリック感が固く、安心感があります。
ベンチレーションはてっぺんのスライドで閉めることもできます。
シャコッ、っとしっかりしたスライド感です。
ゴーグルとのフィット感も良好!
これならゴーグルの上に雪が溜まることもありません。
ちなみにゴーグルはこちら↓
今回は某山の簡単バックカントリー&雪の積もった舗装路を含んだクロスカントリーコースで、一日中被っていましたが、疲れることもなく快適でした。
・まとめ
今回紹介した5モデルは、バックカントリー向けということで、ベンチレーション性能と軽さを重視して選んでみました。
他にも、K2やPOCなどもバックカントリーではよく見かけます。機能や安全性はどのメーカーも大きな差はないように思いました。頭に合うもので、気に入ったデザインのもの、予算に合うもので選ぶと良いと思います。