裏銀座 縦走 三日目【水晶岳から三俣山荘へ】
8/12(月)
裏銀座三日目。
昨日は烏帽子小屋から野口五郎岳を越え、水晶小屋までのロングルートでした。
今日は、少し短めの行動時間ですが、水晶岳をピストンし、鷲羽岳を越え、三俣山荘まで向かいます。
・水晶岳
せっかくの小屋泊なので、食事もつけました。
朝食は、5:00から、先着順ですが、朝食を食べない早出の人も多いので、ゆったり食べられます。
鮎の甘露煮がメインメニュー。
昨日もそうでしたが、白米の炊き具合が絶妙に美味しいです。
反町隆似のイケメンスタッフさんにお聞きすると、圧力釜と蒸し器で炊いているそうです。
・水晶小屋からワリモ岳
美味しい朝食を頂いたら、パッキングした荷物は外へデポします。
アタックザックに必要なものを入れたら、いよいよ念願の水晶岳へ。
山頂までは1時間程。
水晶岳、いざゆかん!
小屋から見えているゆるやかなピークの向こうに山頂が隠れています。
まずはウォーミングアップのなだらかな道を進みます。
だんだんと険しさを増し、手を使って登るような箇所も増えてきます。
これはリサーチ不足でした。反省です。ヘルメットを装着すればよかったです。
それでも岩登りは楽しい。
ハシゴは安定しています。
朝一は息があがります。
朝日に照らされ輝いているピークが、歩くスピードで近づいてきます。
最後までよじ登るようなルートで・・・
標高2986m、水晶岳、登頂です。
念願だった水晶岳。
こんなに素敵な景色は今までで一番かもしれません。
どこを見ても、ぐるぐる回っても、全部山、山、山。
地図で見ると、水晶岳は、北アルプスのど真ん中にあります。
三角点は実はかなり離れたところに。
赤牛方面に進んだところにあります。
ちょうど人が立っているところです。
赤牛岳
ずっと続く滑らかな稜線。あそこを歩くのも気持ち良いだろうな。
槍から笠ヶ岳まで、北アルプス南部が一望できます。
写真ではなかなか表現しきれませんが、展望ランキングでは、間違いなく第一位ではないでしょうか?
今まで単発で登ってきた山を眺められる位置に自分が立っていることを自覚して、
とんでもなく山の奥の奥まで来たことを実感できます。
山頂はとても狭いので、早めに水晶小屋に戻ります。
・鷲羽岳
水晶小屋にデポしていたザックをピックアップしたら、ご挨拶して出発します。
お土産に、ノースフェイスとのコラボTシャツを買おうとしたら、残念ながら完売でした。
ロゴが恐ろしくカッコいいデザインで、他の山小屋のグッズとは一線を画すセンスなだけに、残念。
代わりに手ぬぐいをゲット!
「いってらっしゃい」の鐘
さぁ、昨日あと数時間と思いながらも断念したルートはどんなもんか。
今日はたっぷり時間があるので、マイペースでスタートします。
素晴らしい雲海。
歩くスピードで、どんどん近づいてくる槍ヶ岳。
常に顔を上げると槍があります。
まずは手前のワリモ岳を通過しなければ。
分岐ではたくさんの人が休憩しています。
雲の平から来る人も。
あっちもいいなぁ。休みがもっと長ければ行きたいなぁ。
「ワリモ」はどうやら「割物」と書くそうです。
遠く見えるピークも、一歩一歩進めば、意外と近いことは、昨日までの経験でわかってきました。
これだけスケールが大きいルートだと、遠近感が麻痺して、近いピークも遠く感じがちです。
ワリモ岳山頂
ちょっと怖いところを越えると、鷲羽が見えてきます。
ここから眺める鷲羽岳は、あまり印象に残らないカタチ。
三俣側から見ると、「さすが100名山だなぁ」と感じるダイナミックな山容です。
標高2924m、鷲羽岳、登頂です。
いや~、常に絶景を見ているので麻痺していますが、ここからの眺望も最高です。
裏側は鷲羽池と硫黄尾根、その先に槍。
・三俣山荘
今日の難所(大変なところ)はここからです!
遠くに見える三俣山荘が本当に遠い。
というのも、永遠と続くこの下り道、かなりザレザレのガレガレで、重たい装備を背負っていると滑りやすく、スピードを上げられません。
ブレーキをかけながら下るので、膝上の筋肉がパンプします。
槍に励まされながら、気合で進みます。
やっぱりコースタイムはあてになりません。
最後はハイマツの藪を抜けて、
なんとか三俣山荘に到着です。
行動時間短いですが、昨日までの疲労の蓄積と、鷲羽からの下山の歩きにくさで、足にきています。
テントの受付をします。
一泊一人1000円。
水晶小屋につづき、こちらでも炭酸飲料は売り切れ。
やはり東邦航空さん一社のみで奮闘している荷揚げが間に合っていないようです。
ヘリの荷揚げがなくては小屋の営業はできません。
なんとか他社が再参入してくれないものか?
あるいは、しっかり売上になるよう、一登山者として協力できることはないかなぁ、と考えています。
ちなみに三俣山荘は、「黒部の山賊」の著者、伊藤正一さんが元オーナーです。
黒部源流の一番奥の山小屋として、北アルプスの開拓を担ってきた存在です。
さて、水晶小屋のテン場は、小屋から三俣方面に上っていく道中に点在しています。
すでにたくさんのテントがあり、平らなところは埋まっています。
できるだけ移動したくありませんので、近場のぼこぼこした傾斜のスペースで妥協します。
この場所、傾斜していて、かつエビ反りになる地形。
結果、翌日の黒部五郎ピストンの後、引っ越すこととなりましたが、ここから眺める鷲羽岳の景観に大満足です。
設営の後は、小屋に戻って食事です。
小屋の隣、2階がカフェとなっていて、ラーメンやカレーが注文できます。
狙っていたジビエ丼は売り切れのため、カレーを注文。
胃袋がキューっとなる程染み渡る美味しさ。
他にも、16:00までに頼めば、夕食も食べられるそうですが、ザックの中にある食糧を消費したいので、ぐっと我慢します。
あ、でも明日のお弁当を注文しました。
テント場には沢もあるので、顔を洗ったり、足を浸けてクールダウンできます。
三俣のテント場は、夕暮れとともに静けさに包まれます。
各縦走路の中心に位置するためか、みんな早く寝ているようです。
明日の黒部五郎も長時間コース。ルートを頭に思い浮かべながら、眠りにつきます。
・コースタイム
・水晶小屋→水晶岳0:40
・水晶岳→水晶小屋0:30
・水晶小屋→ワリモ岳1:30
・ワリモ岳→鷲羽岳0:50
・鷲羽岳→三俣山荘0:50
・まとめ
水晶岳は念のためヘルメットがあるとより安心だと思いました。
一番大変だったのは鷲羽から三俣への下り。ザレザレで足元が滑りやすく、疲労が蓄積した状態ですので、余計に転びそうになります。
今日もポールが大活躍でした。
三俣山荘は、テント泊でも食事が注文できますので、荷物を軽量化したい場合は利用すると良いと思いました。
沢もあり、ここを拠点に各ピークにピストンするのも良いと思います。
あ、サンダルがあると、快適に過ごせると思います。
水場の水は臭みも無く美味しかったです。
・四日目 黒部五郎岳編につづく