裏銀座 テント泊 縦走のポイント
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昨日までは、七倉ダムから入山し、烏帽子、野口五郎、水晶、鷲羽、黒部五郎と踏んできました。
今日はちょっぴり寂しいですが、いよいよ下界に戻ります。
・三俣蓮華岳で三県を股にかける!
北アルプスの最深部で毎日絶景を眺めては、感嘆の声を上げ、一日の行動時間も過去最高の長さを連日こなし、やっと身体も慣れてきて、このまま山で暮らしたいほどです。
今日も起床は深夜。
朝食は簡単にカップ麺。
結露でびっしょり重たくなったテントを撤収し、出発です。
今日の目的は、念願でもあった三俣蓮華岳で岐阜、富山、長野の県境で三点倒立をすることです!(笑)
はぁ~、今日も地球の回る速度で朝日が見えてきます。
三俣蓮華岳、いざゆかん!
明るくなりつつある岩道を進みます。
気温が涼しいうちにどんどん進みます。
途中、雷鳥に遭遇!
この山行では2回目です。こんなに晴天続きで雷鳥に出会えるなんてラッキーです。
そして今日も表銀座の峰々を眺めながら歩きます。
進む左手の三俣峠手前は三俣カール。
ついに最終日の太陽が顔を出し、下山までのカウントダウンが始まりました。
三俣蓮華岳の手前はなかなかの斜度があり、ザックの重量が下半身の筋肉を苛めます。
三俣山荘から約50分、
三俣蓮華岳(標高2841m)登頂です。
早速、例の三角点を見つけました。
もちろん念願の「三県を股にかける」ポーズ!
三点倒立や、ブリッジもしたのですが、お腹が見えて恥ずかしいのでお蔵入り写真とします(笑)
この山頂からも、表銀座の山々をはじめとする360°の大展望です。
北に向かう稜線は剣・立山へ。
北東は裏銀座からゴタテの白馬へ。
南下する稜線は西窯尾根から槍へと向かいます。
ブロッケンも登場。
・双六岳へ
三俣蓮華岳を過ぎると、悠々としたアップダウンの少ない稜線を鼻歌混じりに進みます。
双六岳~い~ざっゆ~か~ん~♪
丸山を過ぎ、分岐は稜線コースへ。
今日は雲の流れが速いです。
三俣蓮華から約1時間30分、
標高2860m、双六岳。
ここからの眺めは奥行感が凄い。
稜線を流れ越える綿のようなガス。
空の雲も遠くに広がる山肌に影を落とします。
・双六小屋から鏡平へ
もう少しで双六小屋です。
羊の群れが、それぞれに気に入った草のベッドで寝ているような岩が点在する道を下ります。
道は段々とガレてきて、斜度もきつくなってきます。
それなりに広いので、ガスっているときはルートを間違えないように注意が必要です。
双六岳からは、40分程で双六小屋です。
ここまで来ると、小屋の雰囲気も都会的?な感じです。
小屋の前に置かれたマキタのスピーカーからは、私の大好きなイースタンユースの「孤立無援の花」が流れています。
丁度お腹が減ったので、かた焼きそばを注文します。
お酢が五臓六腑に染みわたり、溜まった乳酸を分解してくれるのを感じます(笑)
ここで三俣で一緒に晩御飯を食べたYUKAさんも登場!
単独で裏銀座なんて、憧れます♪
エネルギーを補給したら、テント場の横を通り過ぎ、しばらく緩い登りとなります。
双六小屋のテント場はフラットで広く、なかなか快適そうです。
ここでのんびりもう一泊して、西窯尾根をやるのも素敵だろうな。
往復15時間ほど・・・。次回の目標に。
標高を下げるにしたがって、気温も上がり、汗が吹き出します。
暑さのせいで余計に消耗します。
おまけに、さっきまでの周囲全てが岩峰だった絶景が無くなった寂しさも手伝い、テンションもだダダ下がり。
時間としては1時間30分ほどですが、とても長く感じ、へろへろに疲れたころ鏡平山荘に到着です。
ご褒美は・・・
じゃーん!!
そして、久~々~の~・・・
デデーン!
赤コーラ!炭酸祭りじゃ~!
祭りよろしく、喉から胃袋までサンバのパレードのお通りでぇ~い!
ぷはぁ~、と元気100倍になり、「ここから先は楽勝っしょ!?」と先に進みます。
・ワサビ平でご褒美
ところが・・・。
ここからが永遠とも思える下り道となります。
「必殺!無限石畳地獄」を進みます。
ザックの重量がすべて足の裏にかかります。
何度かモートン病になっているので、慎重にあるきましたが、つま先の痛みが酷くなってきました。
親指の付け根は痺れはじめ、またまたモートン病になったようです。
やはり劣化したインソールを良いものに交換しなければ・・・。
いろいろ試した中で、おすすめはスーパーフィート!
花谷泰宏さんも使用しています。
そして「チボ岩」だの、
秩父沢で足を冷やし、顔を洗い、
名もなき工事用林道だのを越え、諦めることも、頑張ることもできないまま進むと、
やっとこさワサビ平小屋です。
ここでもご褒美がありますので発表しま~す。
テッテレー♪冷やしトメーロゥ!
山ではどうしても野菜が不足してしまうので、ありがたいですね。
冷やしただけのトマトがこんなに美味しいなんて!
ここにはキャンプ場もあり、宿泊者はお風呂にも入れるので、一泊刻んでゆったり過ごすのもおすすめです。
他にも素麺なんかの誘惑もありましたが、先に進みます。
肩の痛み、つま先の痛み、「コンビニ」なる下界に存在するというオアシスへの憧れを抱え、苦行の道を進むと、やっと新穂高です。
本当に長かった・・・。
・コースタイム
三俣山荘→三俣蓮華岳1:10
三俣蓮華岳→双六岳1:15
双六岳→双六小屋0:55
双六小屋→鏡平小屋1:50
鏡平小屋→ワサビ平小屋2:45
ワサビ平小屋→新穂高1:00
・5つのポイント
<ポイントその1>
裏銀座縦走最終日ということもあり、疲労の蓄積と、長い長い下り道で、つま先の痛みが限界を越えました。
靴紐の締め直しでは効果が無く、やはりそれなりのインソールがあればよかったと思います。
特に双六小屋からの延々の下りは、これまでの登山歴で一番きつかったです。
結果、モートン病になり、下山後一か月経った今でも指の感覚が戻らず痺れています。
<ポイントその2>
やはり裏銀座全般を通してトレッキングポールに助けられました。
1泊程度ならなんともない荷物の重量が、日に日に疲れとなって蓄積します。
登りではポールで踏ん張ることができます。
下りでは、足と体幹の筋肉が疲労しているため、一歩一歩の衝撃をポールが分散してくれます。
あ、ポールは余程長身でなければレディースモデルが軽くておすすめですよ。
じつはレディースもでるでもそこそこの慎重までカバーできますので、高価なカーボンよりもアルミのレディースの方が強度的にも安心です。
日数が許せば、双六小屋一泊刻んででゆったり過ごすのもおすすめだと思います。
<ポイントその3>
食料計画は、食事・お弁当を注文することができる小屋が多いので、テント泊でも、なるべく荷物を減らし、身体の負担にならないような工夫もできます。
装備も多少お金がかかっても軽いものを選ぶと良いと思います。
おすすめ装備はまたの機会に紹介します。
<ポイントその4>
昨年、今年と全国的に猛暑なのは北アルプスでも同じでした。よって水分の消費も激しく、お金もぐんぐん減っていきました。
三俣の水場は美味しいので、粉のポカリスエットや、水出しのお茶、ポーションのアイスコーヒーが活躍しました。
大好きな炭酸飲料をどの小屋も売り切れで、鏡平でやっとコーラをゲットできました。
やはり荷揚げをする航空会社の撤退とヘリの故障の影響が大きい夏でした。
<ポイントその5>
行動開始時間は、夜間歩行に慣れているのなら、早めが良いと思います。
私は連日3時過ぎには出立していました。おかげで、気持ちに余裕を持って行動できました。
何より、陽が昇るとかなり暑くなります。体力を消耗しますので、涼しい時間帯に行動できたのは良かったと思います。
疲れもひどかったですが、とにかく常に絶景で、登山者のマナーも良く、最高の山行でした。
今度はさらに日数に余裕を持って、雲の平や、笠ヶ岳まで足を延ばし、思う存分、山で過ごしたいと思います。
※携帯の電波について
七倉山荘から新穂高まで、携帯の電波が入ったのは、烏帽子小屋付近の稜線と、鏡平小屋の玄関前くらいでした。
他はほとんど電波はありませんでした。