テント泊 基本装備と快適便利アイテム ポイントをわかりやすく紹介します!
テント泊登山のときの、『基本的な装備』と、『快適に過ごすためアイテム』を紹介します。
耐久性を重視したベーシックでバランスの良いモデルを紹介します。
・テント泊登山のポイント
テント泊登山は、衣・食・住、を全て担ぎ上げることになります。
「衣」は、着替え、「食」は調理道具と食材、「住」はテント、シュラフなど。
それから、それらをパッキングできる大型のザックが必要になってきます。
そして、持って行くと快適に過ごせる愛用アイテムも紹介します。
・「住」幕営装備について
では、まずは衣食住の「住」から。
<テントの選び方>
テントは、自立式と非自立式があります。そしてダブルウォールとシングルウォールがありますが、登山では自立式の山岳テントで、ダブルウォールのものがおすすめです。
設営が簡単ですし、居住性も高く、耐久性もあります。
フレームがX型に組み合わされるので、他の形式のテントが風で設営できないようなときでも、エアライスだけは無事に自立してくれます。
例えばこんな天候のとき↓
私が使っているのはアライテント(RIPEN)のエアライズ3というモデルです。
3人用の大きなものですが、重量は2070gです。
エアライズの使いやすいポイントは、本体の、フレームを通すスリーブが、切れ目の無い筒状になっていて、引っ掛かりにくいところです。
そして、スリーブの反対側は行き止まりになっているので、一人で素早く設営できる作りになっています。
エアライズの良いところは、3シーズンをベースに、色々なオプション使うことで、4シーズン使えますし、広い前室のあるフライも設定されていたり、またそれぞれのパーツが壊れても単品で購入できるのもとても助かります。
<シュラフの選び方>
シュラフ選びの基本は、暖かく眠れることです。登る季節や標高など、山行スタイルに合わせて選ぶと良いと思います。
シュラフには、快適使用温度というのがありますが、肌着のみで眠る条件で計算されているので、ダウンジャケットやダウンパンツを組み合わせることで、さらに使用環境の幅が広がります。迷った場合は保温力の高い方を選べば間違いないと思います。
私の使っているものは、mont-bellのバロウバッグ#3という、化繊の綿のモデルです。
※右は同程度の使用温度帯のダウンのモデル。結構大きさも重量も違いますが、私は気になりません。
ダウンに比べて重たく大きいですが、濡れてしまっても保温するので安心感があります。
重たいですが、500mlペットボトル1本分程度の違いなので、私は気になったことはありません。
快適使用温度は1℃となっていますが、中に着るものを調整することで、北アルプス(涸沢)の11月中旬まで使用したこともあります。
また、mont-bellはスーパースパイラルストレッチシステムという、伸縮性がある作りなので、シュラフに入ったまま、座ってあぐらをかけるほどです。
ちなみにダウンのモデルと比較すると、これだけ大きさが違います。
重さも約2倍ほど違ってきます。
ダウンは雨で濡れるとロフトが潰れて全く保温してくれなくなります。数日に渡る山行で初日に濡れてしまったら最悪です。
ゴアテックスのシュラフカバーが必要ですが、なかなか高価です。
<マットの選び方>
次はシュラフの下に敷くマットですが、マットは空気を入れるエアマットと、発砲素材のクローズドセル、それから両者の特徴を組み合わせた自動膨張式のインフレーターマットがあります。
エアマットとインフレーターマットは、寝心地は良いのですが、穴が開いてパンクするリスクがありますし、経年で接着部分が剥離すると寿命なので、圧倒的にクローズドセルマットがおすすめです。
私が使っているのはTHERMARESTのRidgeRest Classicという一番スタンダードなモデルです。
もっと薄くて軽いものもありますが、凹凸が無いので、寝心地はサーマレストに劣ります。
このモデルの特徴は、表面の凹凸部分にあります。この凹凸が空気の層になって、断熱とロフトを稼いでくれます。また、結露が凹凸の中に沈んでくれるので、シュラフがべったり濡れることも防いでくれます。サイズは、長いものは必要ありません。頭や足元はザックを敷くので、カットしてさらに小さくすることもできます。
<グランドシートについて>
グランドシートは、使わない方もいますが、テントの寿命に影響します(底面の穴あき)。
また、私の場合、毎週連続でテント泊登山したりするので、グランドシートがあるとテントの底面が汚れたないため、メンテナンス時間が取れなくても、毎回キレイなテントをパッキングできます。
グリーンシーズンは、タイベックシートという建築資材を代用しています。
かなりペラペラで軽量ですが、防水です。切り売りのものを丁度良いサイズに切って使っています。
<テント内の便利アイテム>
テント内の便利グッズのオススメはソーラー発電のLEDランタンです。
コンパクトに折りたたむことができて、ループ部分にカラビナをかけてテントの天井に吊るして使います。
ソーラーの発電量も良好で、数日の渡る縦走でも問題なく使用できました。
テント内の照明としてヘッデンを併用するのも良いですが、ヘッデンはエマージェンシーグッズの一つでもあるため、ヘッデンとは別の照明があるととても便利です。
(テント内ではヘッデンは常に首にかけています。)
・「食」調理器具について
次は衣・食・住の「食」、調理道具について紹介します。
山の調理のポイントは、軽量で、常温で日持ちするものです。
調理器具はストーブとクッカーがあれば大抵のものが作れます。
クッカーというのは、「お鍋」のことで、私はmont-bellのアルパインクッカー16という、モデルを愛用しています。
もっとコンパクトなものもありますが、このくらいの大きさがあれば、袋麺も入りますし、フライパン代わりにもなるし、ごはんを炊くこともできるのでおすすめです。
大きく感じても実際はクッカーの中にカートリッジや食材などを入れてパッキングするので、そんな問題ではありません。グラム単位で軽量化したい場合は、チタン製が良いですが高価です。
それから、火を起こすためのストーブです。
ストーブは、コンパクトで扱いやすいパワーのあるOD缶直結型のものがおすすめです。
これは、PRIMUSのP-153というもモデルで、冬季でも使える十分なパワーがあって、耐久性もあります。
転倒防止のため、カートリッジホルダーという三脚を取り付けると安心です。
さらに、どうしても悪天候でテント内で使用する場合は、換気と火事に十分注意して、こんな防炎シートを使用します。
熱いクッカーを置いても溶けないので安心です。
それから、あると便利なのがsnow peakのシングルチタンマグというマグカップです。
これは直火にかけることができるので、コーヒーを温め直したりすることができます。
大きさも色々なサイズがあるので、複数個を重ねて収納することもできます。
写真はサイズ違いを二つ重ねています。
ナルゲンボトルは、広口の1リットルのものを使っています。
ビニールバッグのタイプは破れる心配があるので、ナルゲンボトルがおすすめです。
熱湯も入れられ、凍らすこともできてアルコールも使えます。
パーツが少ないので、洗うのも簡単です。
これを湯たんぽにしたり、コーヒーサーバーにしたり、粉末のスポーツドリンクを作るのも便利です。
・「衣」着替えについて
テント泊では、夜間も山の中で過ごすことになります。
そして持っていける着替えの量にも限界があります。
ポイントは「防寒対策」と「量を減らす」ことにあります。
テント泊や小屋泊では、2日に一度程度しか着替えません。匂い対策としては、
ウールの素材のものが圧倒的にオススメです。
靴下はウールのもの一択です。そして、たとえ一泊でも予備は必ず必要です。
万が一濡れてしまうと、行動不能になることもあります。
そして、一番のオススメはTシャツですが、これもウール100%になります。
ICE BREAKERというメーカーのもので、着心地も良く、数泊着続けても全く匂いがしません。
下山後に着たまま美容室に行けるほどです。
化繊に比べて、乾きはやや劣りますが、日中は涼しく、夜間はとても暖かく過ごすことができます。
まさに天然エアコンですね!
それから、下着はfinetrackのドライレイヤー・クールが機能的には現状で一番だと思います。
暑さ対策は、「汗をいかに早く乾かすか」という快適性だけではなく、テント場に到着してからの汗冷えの危険性も考える必要があります。
私は汗冷えでよくお腹が痛くなっていたのですが、これを使ってから、お腹が痛くなることは無くなりました。驚くほど速乾なので、汗臭さも軽減されます。
値段は高いですが、それだけの価値があると思います。
そして、防寒対策は、防寒着=フリースがメジャーですが、フリースは嵩張るし重たいので、化繊のインサレーションジャケットがおすすめです。
シュラフと同様に濡れても保温する化繊は安心感がありますし、お手入れも簡単です。
私はpatagoniaのナノパフジャケットというモデルを愛用しています。
厳冬期を除いて、常に持ち歩いているアイテムです。
ペラペラでコンパクトなのに、とても暖かいです。
女性の方でも、ウエストを絞っていないメンズモデルが着心地が良いです。
・その他のアイテム
他のアイテムとしては、ヘッデンが必要です。
もちろん日帰りの場合にも緊急用に必ず持って行きますが、夜間だけテント場で使用する場合と、暗い時間帯の行動中に使用する必要がある場合、例えばご来光を見るとか、まだ日が昇る前から行動を開始するとか、使用する状況合わせて光量の強さを選ぶと良いと思います。
メーカーによって、表示されている光量が同じでも違いがあるので、注意が必要です。
それと、テント場には電源がありませんので、モバイルバッテリーがあると安心です。
最近は小型で大容量のものがどんどん開発されていますし、値段も手ごろになってきています。
サンダルは、テン場が10倍快適になります!
テント場に着いたら、靴下を脱いでリラックスして過ごすことができます。
踵にストラップが付いているモデルでしたら、テント場内をお散歩したり、近場に水を汲みにいったり、沢に足を浸けたり♪
サンダルがあると無いとでは、快適さが違ってきます。
それから、トレッキングポールは、ザックが重たい場合には、かなり効果を発揮してくれます。
とくに下山のときには疲労が溜まっていることもあり、体幹がブレたりするので、お助けグッズの一つです。
・ザックの選び方
最後に、たくさんの装備を入れるためのザックを紹介します。
ザックは体との相性があるので、コレ!といったメーカーは人それぞれですが、
1~2泊なら60リットル程度、それ以上の長期の場合は70リットル以上が必要です。
とは言え、あまり大きすぎるものだと、「あれもこれも」と持って行ってしまい、歩荷トレ状態になるので注意が必要です。(←私がまさにコレ)
あまり軽量化にこだわり過ぎると、耐久性や軽装備になりがちなので、最初はベーシックなものが良いと思います。
小さいザックに、いろいろ外付けにすると、岩や木に引っ掛けてしまうので、できるだけザックの外にはモノをぶら下げない方が良いと思います。
私は、夏でも冬でもRIPENのマカルー70というモデルを使っています。
昔ながらのザックで、一気室の寸胴のような作りなので、よく考えながらパッキングするので、何を何処に入れたか覚えやすくなり、行動が計画的になります。
「あれ?何処にしまったかな?ゴソゴソ・・・」と同行者に迷惑をかけたり、狭い登山道で荷物を広げることもありません。
各ベルト類は支える程度の薄いものが付いているだけで、フレームもありませんので、肩に食い込ませて背負う、なかなかマゾヒスティックなモデルで、万人にオススメできないモデルです。
それでも慣れてくると、一気室の使い勝手は最高です。
なので、ザックを選ぶときは、ポケットがあまりないシンプルなモデルで、ヒップベルトとフレームがしっかりしているもの、例えばヒップベルトのパッド部分を掴んで持ち上げると自立するようなものが良いです。
そしてサイズが合っているものが良いと思います。
一応、各メーカーを背負ってみた感想を並べると・・・
・キングオブザックはやはりグレゴリー。背負い心地は最高ですが価格も高価。
・ザック界のジョブズが作ったオスプレー。使い勝手の良い工夫は天才的で価格も手頃です。
・日本と同じ雨の多いニュージーランドからの刺客、マックパック。アズッテック素材は頑丈で長く使えます。サイズ、特にヒップベルトが大き目なのでサイズに注意。
・ゼロポイント。ご存じmont-bellのザックレーベル。最近のモデルはフレームも良く出来ていて、コスパ良し。
と、こんな感じです。
・テント泊装備のまとめ
今回はテント泊にチャレンジするための、基本的な装備について紹介しました。
今回紹介したものは、基本的なもの、ベーシックな定番モデルがほとんどですので、
これからテント泊を始めたい方にも長く使えると思います。
登山スタイルも幅が広がって、軽量、ハイテクなものが増えてきましたが、安全が一番だと思います。
・youtubeでも詳しく紹介しています
雪山テント泊の装備はこちら↓