薬師岳テント泊縦走 一日目【折立~薬師峠キャンプ場】
今回は、雄大な稜線が伸びる薬師岳を縦走します。
女性的で台形のたおやかな山容は、北アルプスで一番美しいとも言われています。
黒部川の最深部となる上ノ廊下の向こうに、裏銀座の山々を眺めながら、夢のような4日間(実際は天候による停滞で6日間)でした。
・縦走ルートと標準コースタイム
折立登山口から入山し、薬師岳を踏んで、立山室堂に下山するルートです。
【1日目】
折立…1:30…三角点…3:00…太郎平小屋…0:20…薬師峠
【2日目】
薬師峠…1:40…薬師岳山荘…1:00…薬師岳…1:00…北薬師岳…1:20…間山…1:10…
スゴ乗越小屋キャンプ場
【3日目】
スゴ乗越小屋キャンプ場…3:30…越中沢岳…五色ヶ原山荘…0:10…キャンプ場
【4日目】
五色ヶ原山荘キャンプ場…0:40…ザラ峠…3:00…浄土山…1:50…室堂ターミナル
・折立登山口 駐車場について
気になるのは折立の駐車場ではないでしょうか?
折立にマイカーで行くには、有料の有峰林道を通ります。
有峰林道は通行できる時間が決まっています。
6:00~20:00まで。
深夜に到着しても、料金所のゲートが閉まっているので辿りつけません。
ゲート前で待つにはトイレ問題がります。
駐車場はキャンプ場前の激戦区は数十台まで。
でも、キャンプ場裏の臨時駐車場があり、400台程が駐車できますので、焦らず一日捨てて前夜20:00までに林道を通過して車中泊、あるいはキャンプ場で一泊するのが良いと思います。
ちなみに裏の駐車場も歩いて数分です。
私の場合は、夕方に着きましたが、やはり臨時駐車場になりました。
キャンプ場で一泊しようかと思いましたが、テントを設営して、翌朝パッキングし直すのが面倒なので車中泊に。
しかし!駐車した近くにスズメバチの巣があったらしく、車めがけてバンバン当たってきます。おかげでほとんど車中で過ごす羽目になってしまいました。
・登山ルートの詳細
【折立】
早朝4:00。
いよいよ準備を済ませ出発しようとしていたところ、隣の車のオジ様が鍵をインロックしてしまったとのこと!
スマホも小銭も何も持たずにインロックしてしまったので、私のスマホでJAFを呼んで、水を渡して、先に出発させてもらいました。
下山後に、オジ様からのお手紙がワイパーに。
結局鍵開けに時間がかかってしまい、撤退することになったそうです。
『山は逃げないのでまた・・・』と、悔しい気持ちとお礼のご挨拶が書いてありました。
また山で会いましょう!
登山口にはキャンプ場に隣接してトイレと水場があり、自販機もあります。
熊除けの電気柵に囲まれた安全なキャンプサイト。
出発は5:00。
恐ろしく重たいザックを肩に食い込ませ、
薬師岳、いざゆかん!
まずは樹林帯を三角点まで進みます。
三角点までは、ずっとアブの襲来(威嚇)を受けながら、なかなかストレスでした。
自作のハッカスプレーで防衛します。
登山道は危険個所も無く、歩きやすいですが、ザックの重さのせいで、体幹がブレます。
事前にリサーチしていた程の急登には感じませんでした。
寧ろ、北アルプスでは緩やかな登山道だと思います。
(注:個人の感想です)
それでも寝不足と暑さで、すでにフラフラ。
【青淵三角点】
あまり好きではない樹林帯歩きで、1時間30分で三角点に到着。
標高は1,356m
三等三角点なので、樹林の背丈は高いですが、見晴らしはそれなりにあります。
太郎兵衛平から薬師、立山まで見渡すことができます。
水分補給をして先に進みます。
だんだんと視界が開けると、木道が現れました。
ここからは、見晴らしが良いぶん、楽しい気分で進むことができます。
積雪深計ポール
振り返ると有峰湖が見えます。
【五光岩ベンチ】
1時間50分で五光岩ベンチ。
広いベンチがたくさんあるので、休憩している人が多いです。
進行方向左手が五光岩。
五光岩の名前の由来は、有峰ダムができるずっと昔、ダムに沈んでしまった麓の村落から見て、美しい色彩(五色)に光っていたことから名づけられたそうです。
だんだんと雲が晴れてきました。
緑の絨毯に引かれた白い登山道が遠くまで続いています。
自然に鼻歌が出てしまいます。
右手に日本海、左手に雄大な薬師岳の稜線。
丸太の新しい階段。整備されていて、歩きやすいです。
比較的ゆるやかな上り坂が多いので、階段のキツさも、登山らしくて嬉しく感じます。
【太郎兵衛平/太郎平小屋】
遠くに小屋のシルエットが見えてきました。
五光岩ベンチからは、1時間で太郎平小屋に到着。
肩はザックが食い込み、痛みが酷い(泣)
それでも頑張って来れたのは、コレ!
キンキンに冷えた光り輝く赤い缶!
やっぱりコレでしょ!?
水場は小屋の脇にあり、トイレはチップ制の100円です。
太郎兵衛平は、雲ノ平方面、黒部五郎方面、薬師方面、折立方面の十字路になっているますので、多くの登山者で賑わっています。
太郎平小屋は食事を注文することも可能です。
シャリバテの一歩手前で、すぐにでも注文したかったのですが、テント場の混雑具合が心配です。
カレーを注文しようとしているパートナーに羊羹を与えてなだめすかし、私も羊羹を齧りました。
先に幕営してから戻ってくることにします。
・薬師峠キャンプ場の攻略法
【薬師峠キャンプ場】
テント場は小屋から20分。
キャンプ場までの登山道はしっかり整備されていて、お花が風に揺れています。
キャンプ場の受付は、シーズン中は管理小屋にて。
料金は1000円/人
受付時間は13:00~16:00
シーズン中は管理小屋でも飲み物も買うことができます。
スタッフさんが毎日歩荷しています。
ビールを買っているお客さんが多く、売り切れていました。
なるべくフラットなところに設営します。
広いキャンプ場で、多いときは350張になることもあるそうです。
フラットなところは少なめですが、設営場所選びのポイントは、
平坦さではなく、日陰です!
なぜならここのテント場はほとんど日陰が無いので、かなり暑い。とにかく暑い。
エスケープゾーンは、水場のある樹林に囲まれた範囲。
水量がかなりあり、みんな顔や頭をじゃぶじゃぶ洗っています。
私お顔と頭を洗い、サンダルに履き替えた素足を膝上まで洗います。
骨まで痛くなる冷たさです。
ついでに手ぬぐいを絞って、Tシャツの中に手を突っ込んで体中を清拭しました。
この先はこれほど豊富な水場はありませんので、恥ずかしいなんて言ってられませんね。。
トイレも新しく、綺麗でした。
まだ9:30。。。
日差しとの長い闘いが始まる。
水場で冷やしたフルーツ缶詰で生き返る♪
シロップのブドウ糖でドーピングです(笑)
それにしてもジリジリとテン場を焼く太陽。
時折生温い風が吹くだけ。
日傘を持って来ればもっと快適だったと思います。
縦走のときは、エバニューの傘が最軽量でおすすめです。
あきらめて寝てみようと思いましたが、寝たら死にそうなので、小屋に戻って・・・。
念願の「行者にんにくラーメン」を注文しました。
山でこんなにおいしいラーメンが食べられるなんて♫
太郎平小屋のあたりは、風が吹き抜けるので、鞍部のテン場より涼しく過ごせます。
ベンチに座って、コーラを飲んだり、音楽を聴いたり、ぼんやり景色を眺めて贅沢な時間を過ごしました。
繁忙期は飲み物が売り切れ!なんてことも。そんなときは↓
良い時間になりましたので、テントに戻って夕食にします。
今日はカキの和風パスタです。
長期山行のときは荷物も軽くなるのでおすすめです。
無印良品の乾燥食品シリーズは便利ですね。
きのこミックス、トマト、ほうれん草などがラインナップされています。
いつもの山ごはんが、ちょっと豪華になります。ジップロックになっているので保存も便利です。
さて、明日はメインの薬師岳。
そしてスゴ乗越までの行動時間は6:10と短めですが、天気が心配です。
シュラフの上に横たわると、意外と疲れていたようで身体のあちこちがダルくなっていますが、この感じも嫌いじゃない。
やぱり山はいいなぁ、と思いながら、意識が稜線の向こうの夜空に吸い込まれていきました。
2日目につづく・・・
ここまでの様子はyoutubeにアップしていますので、是非ご覧ください。
2日目、薬師岳登頂~スゴ乗越小屋までの記事はこちら↓