* 奥穂高 テント泊登山【Day1】
8月11日
梅雨明けになると、夏山ならではの、真っ青の青空と岩肌のコントラストを思い浮かべ、
ひんやりした心地よい風を受けながら、山で過ごすことに憧憬を抱きます。
梅雨の合間を縫っては、夏山に身体を慣らすため、ハードな日帰りロングルートを登り、
この日を迎えました。
今回は目指すのは、登山者が憧れる穂高連峰、奥穂高岳。
山行一日目の今日は、明るい渓谷美の上高地を抜け、ベースキャンプとなる涸沢カールまで進みます。
8月10日
仕事を終え、(いや、終える前から頭の中は山で一杯なのですが)一路上高地へ。
車中泊のポイント
深夜、毎度お馴染みの沢渡駐車場に到着しました。
この時期の沢渡は、夜間は結構涼しいのですが、それでも車の窓を開けておいた方が快適です。
車の窓周りに虫除けスプレーをして、ドアの上半分に被せるタイプの簡易的な網戸を取り付けます。
早朝4時30分、駐車場内のあちこちから、車のドアを開閉する音が控えめに響き、ザックに取り付けたクマ避けの鈴の音が移動しています。
バスに乗るか、誰かと相乗りならタクシーでも値段は変わりません。
タクシー乗り場を見ると、数組並んでいましたので、私もタクシーに乗ることに決め、運よく相乗りで上高地に向かうことになりました。
釜トンネルが少し早く開いたため、5:05に上高地に到着。
登山届を提出したら、早朝の霞に包まれる梓川沿いの遊歩道を、野鳥の鳴き声を聞きながら、まずは横尾まで進みます。
涸沢カールまでのルートの紹介
横尾までは観光客も散策できる平坦な道を進みます。
平坦とはいっても平均タイム約3時間となります。目標は2時間。
平坦な道ほどタイムを巻くのは大変です。
涸沢ではテント設営の際、先着順で有料のコンパネを借りることができます。
いつもコンパネを確保するため、この横尾までの区間はかなりスピードを上げて歩きます。
梓川に沿って、沢のせせらぎをBGMに、心地よい風に吹かれながらのウォーミングアップとなります。
河童橋
この時間はまだ観光客は少なく、ほとんどが登山者でした。
横尾まで、軽トラの荷台かなんかの移送サービスとか、レンタル自転車があればいいのになぁと毎回思います。
ほぼ小走り並みのスピードで歩いていると、この風光明媚な景観を楽しむよりも、合理的な考えが浮かんでしまいます。
それでも、進むにつれて、期待が膨らむこの区間が、この山域の魅力を高めているように感じます。
アプローチが長ければ長いほど、山の懐深くに入っていっているようで、胸が高鳴ります。
明神館 06:00
自販機で冷やされている炭酸飲料の誘惑に目を背け、休憩はとらずこのまま進みます。
道すがら、サルも口をモグモグさせて、朝食の時間。
徳沢園 06:40
いつ訪れても、明るい林に囲まれた清潔でひっそりとしたテン場ですね。
芝生の上に寝そべって、ソフトクリームを食べたり、パーコレーターで淹れたコーヒーを飲みながら読書したり、またソフトクリームを食べたり。
そんな風にここでのんびり過ごすのも素敵だなと思います。
横尾 07:40
旗が道沿いに並び、橋の下や道の脇にテントが点在しています。
横尾から先は、いよいよ登山道がはじまり、気合を入れる必要があります。
横尾にも自販機があり、手っ取り早くエネルギー補給ができるコーラで喉を潤します。
上高地と比べ幅の狭くなった梓川が、轟轟と雪解け水を流しています。
さぁ、ここからがいよいよ登山道。
涸沢カール、いざゆかん!
本谷橋までは、極々普通の一般的な登山道です。
爪先上がりの道は、ゴリゴリと石ころを踏みしめる。
屏風岩
昨年はこのあたりに暴れん坊のサルがいて、かなり遠くからサルパンチで威嚇していたのを思い出します。
何度も通ったこの道を歩きながら、懐かしかったり、新鮮だったり。
こういう危険個所の少ない登山道では、これまでの山の記憶を振り返る道でもあります。
本谷橋 08:40
吊り橋にくると、橋の下は沢の両側が広場になっていて、休憩している人がたくさんいます。
かなりハイペースで登ってきたおかげで、肩から湯気が立ち上ります。
橋の下は日陰もあり、沢を通過して吹く風が、全身の熱気を払ってくれます。
高校生の頃、通学は自転車で、川沿いを毎日走っていました。
お気に入りの橋の下で、友達とお菓子を持ち寄って部活の帰りにおしゃべりして過ごしました。
そんな自分たちの様子みて、「ブリッジクラブ」と呼ぶようになりました。
ブリッジクラブのみんなは元気かな?
今回は1ヶ月前から、毎日ランニングとサーキットトレーニング、筋トレをして準備してきました。
そのおかげか、息切れもせず、筋肉まだまだ大丈夫そうです。
ところが本谷橋から先が結構キツイ!
下山してきたおば様は「ここからが地獄よ~、ガンバ」と、励ましなのか脅しなのかよく分からない声援をしてくれました(笑)
急登はふくらはぎがパンプしないように、がに股で踵で登ることを意識。
時には、上半身と下半身の向きをひねって横向きに歩くこと楽になります。
パートナーは朝食を抜いたせいで、シャリバテになったようで、「息も筋肉も楽なのに力が出ない」、「前に進まない」と辛そうです。
昨年は対向の人とすれ違う幅も無かったガレ場のトラバース道は、綺麗に整備されて広くなっています。
昨年の様子はコチラ。もっと詳しい記事になっています。↓
整備してくれた関係者のみなさんに感謝しながら、頭上からの落石にも注意して素早く通り抜けます。
涸沢ヒュッテの吹き流しが見えたら、もうちょい!
の、はずなんですが、見えているゴールって遠い(泣)
動く歩道を逆から歩いているみたいに、全然進まない。
登山道沿いの沢で、もう一度顔を洗って水分を補給します。
沢の水は骨が痛む程冷たい。
さあラストスパート!
ガンバ!!
10:30 涸沢ヒュッテ、いつもよりゆっくりめの到着です。
テント設営について
今回もテントはアライテントのエアライズ3ですので、幕営スペースが限られます。
一息つきたいところですが、よい場所を探して設営します。
テント受付小屋の前のコンパネを借ります。
今晩からの快適なマイホームの基礎となるため、お金には変えられません(笑)
1泊につき1枚500円です。
受付は12時からですので、先に設営します。
目印のタルチョを張ったら、我が家の完成です。
雪渓の隣。
夜は山から雪渓を通ったガスが降りてきて、寒そうだなと思いましたが、
トイレまでの距離等考えて、いや、実際はあれこれ考えるのも面倒だったし、広いテン場を彷徨うのも億劫だったので妥協したわけです。
時間が経つにつれテントも増えてきます。
それでも混雑したテント場でさえ風景にしてしまう涸沢のロケーション。
最高だね。
今回は3泊の予定で、一日は予備日となります。
山岳警備隊の基地前の掲示板を見に行きます。
登山道の状況や、事故状況、天気予報を仕入れます。
う~ん、明日は微妙な天気。
明後日は完璧な快晴。
ということで、明日はここでのんびり過ごすことに決定。
というか早速お昼寝岩でごろん(笑)
お気に入りのソフトシェルが快適です。
・まとめ
涸沢までのアプロ―チは、積雪期を除けば危険個所は少ないです。天空の楽園、涸沢カールには、カールを目的に登ってくる人も多いほど人気の小屋・テン場ですので、朝はトイレが渋滞しますし、人がたくさん。マナーが?な方もいますが、来る価値は大です。
二日目「奥穂高登山編」につづく
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