秋に登りたいおすすめの山「谷川岳」
紅葉の見頃を迎える、日本の山々。
今回は都心からアクセスの良い関東を代表する山、「谷川岳」に登ってきました。
・谷川岳ってこんな山
谷川岳は、上信越国立の東部に位置する谷川連峰を代表する山です。
標高は1977メートル。
山頂は「トマの耳」「オキの耳」という二つのピークがあり、群馬側から見上げると、ぴょこんと二つの耳があるネコのように見えます。
「魔の山」と呼ばれ、遭難者数がワースト1としてギネスブックに載っていますが、それは一ノ倉沢のクライミングの事故の話。
一般ルートでは、初心者からベテランまで楽しめるルートが複数整備されています。
地勢的な特徴は、本州を日本海側を太平洋側で切り分ける山脈になるため、局地的な激しい気象条件になっており、豪雪の山として知られています。
標高は2000メートルですが、アルプスの3000メートル級の山に匹敵する景観となっています。
今回紹介はロープウェイを利用し、比較的簡単に登ることが出来るルートを紹介します。
大人気の山のため、ネット上にも多くの情報がありますので、私自身が感じた、危険なポイントや、持って行くべき装備など、裏技的な内容を紹介します。
・私の谷川岳登山歴
実は私が初めて登った山らしい山が、この谷川岳。
ロープウェイを使うはずが、リサーチ不足で、到着したらロープウェイは工事中のため運休。
「せっかく来たから・・・」と急遽、西黒尾根を登ることに。
案の定、大幅にコースタイムをオーバーし、足はパンプ、蛇紋岩の滑りやすさに苦戦して半泣きに。
少しでも滑らなそうなルートから下山しようと、マチガ沢沿いの厳島新道に進んだのが運の尽き。
上部の谷地形のトラバースでビビり、下部は登山道に水が流れていました。
おかげでもっとに歩行時間が伸びてしまい、山中で夕暮れを迎えるという苦い思い出があります。
地図読みや、装備の使い方、自分の身体の様子を把握する大切さなどを学び、真面目に山と向き合うきっかけとなった山行でした。
それ以降、谷川岳には毎年、グリーンシーズンと厳冬期に登り、バックカントリーにも行っています。
今回は始めてのロープウェイを使った(無雪期では)登山となります。
・谷川岳登山の駐車場
谷川岳の駐車場は、ロープウェイの駅である「谷川岳ベースプラザ」が一番近いですが、繁忙期は夜間は閉まっています。
いつも前夜泊なので、ベースプラザではなく、歩いて10分程手前に位置する「谷川岳インフォメーションセンター」の駐車場に駐車しました。
公衆トイレもあるので、他の駐車場に比べ車中泊がしやすい。
・谷川岳ロープウェイについて
ロープウェイの始発は土日は7:00から。
最終は17:00で、観光客も多く訪れるので、乗り場は大混雑。
最終便を考慮して、始発で登るのがおすすめです。
始発に合わせ、ベースプラザに向かいます。
チケット料金は年々変わっていますので、公式HPでチェックしてみてください。
ベースプラザには、更衣室もありますので、狭い車内で着替えるのが大変な場合は、こちらを利用すると良いと思います。
・谷川岳登山ルートの様子とポイント
まずは、ロープウェイを利用し、標高750mの土合口駅から、標高1320mの天神平駅まで空中散歩を楽しみます。
飲み物の自販機はこの天神平駅が最後です。
この時期は、山肌一面に色づいた紅葉の絨毯が圧巻です。
天神平からは、天神山を巻くようにトラバース道がありますが、せっかくなので、天神平からさらにリフトで天神山に登り、天神峠から稜線を歩くコースを取ります。
※下山は、リフトに乗ると、逆に遠回り(登り)になるので、分岐点を左に、直接ロープウェイ乗り場に向かいます。
ケーブルの設置位置を下げたリフトは地面が近くて何だか新鮮。足元を流れる地面を見ながら足をぶらんぶらん。
リフトの天神峠駅に到着。
公衆トイレはここが最終となります。
この先は肩の小屋までトイレはありません。
谷川岳、いざゆかん!
ここから約2時間で頂上となります。
天神山の開けた稜線を樹林帯に降りていくと、分岐点。
ここから緩い登りの樹林帯になります。
樹林帯の中は、整備されていて歩きやすい。
右の崖が崩壊している箇所には鎖がありますが、使う程ではありません。
分岐点から約30分歩くと、熊穴沢避難小屋です。
内部は10人程が入れる広さ。
厳冬期はこの小屋も屋根まで埋まってしまいます。
今日はこの季節には珍しく気温が高く、汗が吹き出しますが、寒い日や、悪天時には、この避難小屋が休憩ポイントとなります。
避難小屋を過ぎると、だんだん傾斜が増し、樹層が変化してきました。
岩場が現れ、そこにはロープや鎖が架けらていますが、高度感は無く、雨天時などのスリップ防止用に付けられた物で、難易度は決して高くありません。
所々鎖場が現れますが、鎖を使わなくても登れます。
なにより一番やっかいなのは、この青光りしている「蛇紋岩」という岩。これがかなり滑り、下山時は注意が必要です。転倒している人も結構みかけました。
滑りそうな箇所で、軽くバランスを支えるためのトレッキングポールがあったらよかったです。
鎖場を過ぎると現れる小高い岩が「天狗のトマリ場」
上に登ると見晴らしが良いので休憩する人で賑わっています。
ちょっと進むとザンゲ岩。
悪天時や積雪期は、このあたりは隠れるとろがなく、常に強風にさらされますが、この岩が唯一ほっとできる風避けポイントです。
クマザサの中を整備された階段が伸びます。
疲れも溜まり、頑張りどころ。
一歩一歩進んでいくと、前方に可愛らしいシルエットの「肩ノ小屋」が見えてきました。
山頂直下の休憩ポイントで、多くの登山者がご飯を食べたり、トイレに行ったり。
売店買ったコーラで元気をチャージ!
今日は特別暑いので、ジュースが美味い!
休みすぎると足がだるくなるので、まずは、手前の「トマの耳」へ。
整備された登山道を登り始めてすぐに山頂です。
標高1963メートル。
たいてい頂上付近はガスに包まれていることが多いですが、今日は快晴無風!
はるか遠くまで360°の眺望が広がります。
遠くには日本百名山の頂がいくつも見えます。
北から、巻機山・越後駒ヶ岳・燧ケ岳・至仏山・武尊山・日光白根山・赤城山・富士山・浅間山・白馬岳・苗場山。
中でも、オジカ沢ノ頭から川棚ノ頭へと南西に伸びる俎嵒山稜と、
西黒尾根から土合まで伸びる稜線は、山々の雄大さを感じることができる風景です。
さらに次の「オキの耳」へ向かいます。
一度下って登り返し。
渋滞しやすい箇所なので、焦らず進みます。
岩場を登るともう一つのピーク、標高1977m「オキの耳」に到着しました。
眼下には一ノ倉沢。クライマーの姿がたくさん見えます。
天気も良いので、さらに稜線を100mほど少し進んでみると・・・
「富士浅間神社奥の院」があります。
この稜線は室町時代から続く参拝道なんですね。
古くから谷川岳にまつわる山岳信仰の中心的な役割を果たしてきた富士浅間神社。
お参りをして下山します。
・谷川岳 天神尾根の情報まとめ
ロープウェイを利用することで、初心者でも比較的簡単に登頂可能な天神尾根。
登ってみた感じたことをは・・・
・岩(蛇紋岩)が滑りやすい
土や泥、根に混じって現れる蛇紋岩。とくに青黒く光っている箇所はとても滑りやすく、西黒尾根の方がまだ歩きやすいと感じました。
・持っていきたいアイテム
①トレッキングポール・・・滑りやすい下山時、バランスを支える程度に使えると、 快適だったと思います。
蛇紋岩に加え、整備された木道は、濡れたり霜が付くと滑りやすくなります。
身長180cmくらいまでなら、軽量な女性用がおすすめです!
②熊避け鈴・・・実は前夜、インフォメーションセンター前の道路で大きなツキノワグマに遭遇しました。近年は、温暖化の影響か、山の木の実の育成不足により、人の生活圏に熊が降りてきています。車のエンジン音やライトにも驚くことなく、道路脇に首を突っ込んで何かゴソゴソしていました。こんなのに登山道で出くわしたら大変です。
特に樹林帯ではお互いの姿が見えないので、熊鈴は効果的だと思います。
③防寒装備・・・谷川岳に限らず、11月の登山では、いつ冬になってもおかしくありません。谷川岳は特に天候の変化が激しいので、登り始め暖かい天気だったとしても、初冬の装備が必要です。
樹林帯を超えると風避けポイントはほぼありません。強風に当たると、一気に体感温度も下がってしまいます。防寒装備は必携です。
私は夏でもこれを持って行きます。
日本百名山の谷川岳・・・
日本屈指の岩場に数えられ、その特殊な地勢を局地的気象は、日本アルプス3000メートル級の高山に匹敵します。
山頂からは、燧ケ岳、赤城、遠くは富士山、北には日本海まで望む大パノラマが待っています。山々の雄大さは、まるで3000メートル級のアルペン的景観の美しさがあり、訪れた人々を魅了します。
・YouTubeで谷川岳の絶景を
YouTubeにも動画をアップしました。
より詳しい登山道の状況に、絶景映像を紹介しています。
是非ご視聴&チャンネル登録、よろしくお願いいたします。