登山女子のぽんこつ日記~はじめての登山やコース、装備など~

登山のこと、山道具のこと、いろいろ紹介します。

パタゴニア

唐松岳 テント泊 ゴールデンウィークのルートと4つのポイント

GWの唐松岳 テント泊

4月28日(土)
待ちに待ったゴールデンウィークです。
今シーズンの冬は、スキーの特訓をしていたので、テント泊での登山は久しぶりです。
装備の重さに耐えられるか?
残雪期とはいっても、雪上でのテント泊の寒さはどんな感じだったかな?
わくわくどきどきの山行となりました。
昨年のGWは立山は雷鳥沢でした。
www.chillpaine.com


今年は、後立山から、昨年登った別山を見てみようという企みです。
f:id:chi-sk8:20180501220826j:plain

コースタイム

八方池山荘→第二ケルン1:00
第二ケルン→丸山ケルン2:00(途中休憩10分)
丸山ケルン→唐松岳頂上山荘50分
計3時間50分

アクセスと駐車場

コンビニ

東京からのアクセスは中央道と長野道で安曇野ICまで。
そこから長野オリンピックの会場になった八方尾根スキー場まで下道になります。
だいたい4時間程度。
仕事を終え、深夜の高速をひとっ飛びです。
安曇野ICからはコンビニもいくつかありますが、ガソリンスタンドは夜中は閉まっているので要注意です。

駐車場

駐車場はゴンドラリフトアダムのすぐ横にあります。
一日500円。
朝方、集金のおじさんが来てくれます。
無料の駐車場はここから白馬駅の方に徒歩5~7分ほど下ったところに、八方第3駐車場、第2駐車場、第5駐車場があります。

八方アルペンライン

八方アルペンラインというのは、八方駅から八方池山荘まであるゴンドラとリフトの総称です。
f:id:chi-sk8:20180501220851j:plain
料金は大人往復2900円。
チケットを買うときに、登山届けの提出を求められますので、先に記入しておきましょう。
(前は違った気がしますが、提出漏れを防ぐ意味では良いシステムですね)
3日間有効なので、唐松岳頂上山荘やテント泊しても大丈夫です。

荷物は15Kg以上は有料、440円になります。
私は22kgだったので別でチケットを購入します。

スキーのお客さんもたくさん。
パイネのガッシャブルムを担いだ山岳部の学生さんや、年配のご夫婦。
不眠不休で運転してきた、はんぺんのような顔のパートナーを除いてみんな楽しそう(w

ゴンドラ、リフト2本を乗り継ぐと、約20分で標高1830mの八方池山荘です。
この辺りはガスが濃くて嫌な予感・・・。
f:id:chi-sk8:20180501220933j:plain
八方池山荘はあいにく設備の故障でトイレが使えませんでした。

唐松岳登山ルート

八方池山荘から第二ケルン

唐松岳、いざゆかん!
f:id:chi-sk8:20180501221002j:plain

登山道にほとんど雪はありません。
f:id:chi-sk8:20180501221025j:plain

ここから第二ケルンの公衆トイレまで、右が岩道のルート、左が整備された木道のルートになります。

木道ルートは雪に埋まっています。
f:id:chi-sk8:20180501221046j:plain

冬靴の硬いビブラムソールが木の階段にポコポコと響きます。
地表の境が薄らと白く、高くなるにつれ濃さを増す青空に向かって進みます。
かなり眩しいのでサングラス、日焼け対策は必須です。
www.chillpaine.com


第二ケルンから第三ケルン

第二ケルンが最後のトイレです。
f:id:chi-sk8:20180501221103j:plain
この先は山荘までトイレがありません。


第二ケルンを越えると所々雪道になってきました。
f:id:chi-sk8:20180501221120j:plain
まだアイゼンは必要ありません。

シャリ、シャリ、と重たく溶けた雪道。
ふくらはぎに心地よい負担感。
f:id:chi-sk8:20180501221143j:plain
これです♪残雪期の感じ。
春山特有の柔らかい陽光が雪面に反射されるごとに、光のカーテンをくぐり抜けるようです。
f:id:chi-sk8:20180501221253j:plain


第三ケルン

ここまで来ると、一気に眺望が開け、右手には白馬三山の急峻な岩稜が挑めます。
f:id:chi-sk8:20180501221337j:plain

雪が溶けたら眼下に八方池が見えるはずです。
そして目の前には不帰ノ險、五竜岳、鹿島槍。
ここまで写真撮影を目的に登ってきて帰るお客さんも目立ちます。

下ノ樺

この辺りから先は、夏道とは違って尾根を歩くルートになり、勾配もきつくなってきます。
f:id:chi-sk8:20180501221419j:plain

登山道らしくなってきました。
f:id:chi-sk8:20180501221445j:plain

ここでアイゼンを装着すると良いと思います。
f:id:chi-sk8:20180501221500j:plain
念のためヘルメットを装着します。

雪と青空のコントラストに白樺の枝。幹は艶々しく、春の息吹きを感じます。
f:id:chi-sk8:20180501221528j:plain

勾配がキツくなってきて、息が上がる。
f:id:chi-sk8:20180501221610j:plain
緩んだ雪で足がずり下がり、なかなか消耗します。
汗が吹き出す。

雪道が途切れると、苦手なアイゼンでの岩道歩きです。
f:id:chi-sk8:20180501221634j:plain
ガリガリと爪と岩の擦れる音に、滑るんじゃないか?と怖くなります。

長い長い斜面。ガンバ!
f:id:chi-sk8:20180501221709j:plain

直登はふくらはぎに効きます。
f:id:chi-sk8:20180501221740j:plain

丸山ケルン~唐松岳頂上山荘

f:id:chi-sk8:20180501223449j:plain

ここまで来れば、あと1時間程で唐松岳頂上山荘です。
360°眺望できる広い尾根を進む。
f:id:chi-sk8:20180501221816j:plain
尾根筋を渡ってきた風が強くなってきました。

ひぃ~、キツイ!
f:id:chi-sk8:20180501221857j:plain

だんだんと岩と雪のミックスに。
いやらしいルートです。
f:id:chi-sk8:20180501222020j:plain

積極的に手を使って登ります。
f:id:chi-sk8:20180501221916j:plain


見覚えのある落石防止のネット。
f:id:chi-sk8:20180501221954j:plain

ということはもうちょっとです。
肩にザックが食い込んで、鈍痛が増してきました。

コ、コーラ!着いたらコーラを飲んでやる~!と気合で進み続けます。

ここのトラバースは片側が切れ落ちていますし、装備が重たいのでバランスに注意します。
f:id:chi-sk8:20180501222026j:plain

私の場合、ピッケルよりトレッキングポールを使用して正解でした。
最近はカーボンやショック機構が付いているのがありますが、アルミのシンプルなもので、ワンタッチロックのものが頑丈です。

小屋が見えてきました♪
f:id:chi-sk8:20180501222037j:plain

やった~!
f:id:chi-sk8:20180501222052j:plain


受付に行くと・・・
f:id:chi-sk8:20180501222208j:plain
!!!

宝剣山荘のお姉さんがいました♪
実はお姉さんに会うために唐松岳を選んだのでした。
昨年の雷鳥沢も。
久しぶりの再会ですが、相変わらずテキパキと働いていてカッコいい♪

唐松岳のテント場

テン泊は一人一泊1000円
トイレは山荘内の綺麗なトイレが使えます。

水場が貴重な頂上山荘は天水を主に使用しています。
天候等の条件では十分な量が確保できない場合もあるそうですので節水を心がけましょう。

自販機

自販機もあり、ペットボトルの水は300円。
缶コーラ、なっちゃんは400円
500mlアクエリアスは500円。
もちろんビールもございます!
他にも売店にはチップスター、あんぱん、カップヌードル等があります。
お湯を購入することもできます。


忙しいお姉さんにご挨拶して、テントの設営に向かいます。


テン場は、通常の小屋下の斜面は使用できませんので、北の別棟の前後が指定場所です。
雪の上が空いていましたので、奥から順に詰めて設営します。
この日は全部で10張りほどでした。

まずは整地。
f:id:chi-sk8:20180501222100j:plain

残雪期のテント

グランドシートはおすすめのアルミ蒸着のやつ。
www.chillpaine.com

テントはアライのエアライズ3。
f:id:chi-sk8:20180501223953j:plain

外張りは夏用(3シーズン用)です。
雪上ですので自作の竹ペグを使用します。
寝不足でヘトヘトなので、カップラーメンでお腹を満たしたら、お昼寝タイムです。

テントの真ん前には翼を広げたような立山連峰。
f:id:chi-sk8:20180501222124j:plain


剱が真ん中に鎮座しています。
f:id:chi-sk8:20180501222146j:plain
昨年同じ時期に登った別山も。登ったことのある山は、離れて眺めると特別な想いがします。
もう一年経ったのかぁ。

山岳信仰の時代、山に神様が居たと考えたのもわかる気がします。


左は五竜岳。
f:id:chi-sk8:20180501224239j:plain

右は明日登る唐松岳。
きらきら水晶みたいに光っています。
f:id:chi-sk8:20180501224318j:plain

さらに小屋の後ろをちょっと登ると右は白馬岳が見えます。
全ての稜線が視界を対角に折り重なり、圧倒的な質量と面積の広がりを見せます。


Tシャツ一枚でもちょっと暑いくらいで、時折風が吹き込むと心地よく、
気がつくと眠っていました。
目が覚めると16時。
そろそろ晩御飯です。
コンビニで買った大量のパンとレトルトのシチュー。
f:id:chi-sk8:20180501222238j:plain
f:id:chi-sk8:20180501222251j:plain

温めて食べる頃にはダウンジャケットを羽織らないと寒くて震えます。
雪面もカチカチに凍ってきました。
19時を過ぎるとだんだんと夕暮れがやってきます。
空は暗くなろうとしているのに、雪は幽かな光りを放っています。
f:id:chi-sk8:20180501222308j:plain


窓の結露で滲む小屋の明かりは、まるで昔味わった幸福がこちらに微笑みかけてくるようです。
f:id:chi-sk8:20180501222320j:plain

寒い夜

ダウンパンツに、像足を履き、上半身はダウンジャケット。
マットは軽量化の為、潰れて薄くなったホームセンターの銀マット。
シュラフは3シーズン用のモンベルのバロウバッグ#3

明日は唐松に登って、あとは贅沢にこのテン場でのんびり過ごすスケジュールです。
わくわくしながらも、一日の疲れで眠りがやってきました。

22時過ぎ、寒さで目が覚めます。
地面からの冷気で背中が寒く、熟睡できません。
失敗したぁ。
東京の異常な厚さで甘く見ていました。
気温は-7℃。
朝日の温かさを待ちながら、うとうと過ごすのでした。
f:id:chi-sk8:20171010002334j:plain

ポイント

①テン泊装備の重さ、残雪期の歩きにくさもあり、トレッキングポールが活躍しました。

②軽アイゼンやチェーンスパイクではなく、前爪のあるアイゼンが良いと思いました。急斜面では前爪があった方が安全です。
足の小さい私は、12本爪ではなく10本です。土踏まずに爪が集中してしまうと雪面に刺さりにくくなってしまうからです。

③この時期は一気に冬に戻ることもあるのでシュラフ、マットは冬用が良いです。服装も。(反省)

④日焼け止めは何度も塗り直した方が良いです(悔)
www.chillpaine.com


二日目 山頂アタック編につづく

www.chillpaine.com

このエントリーをはてなブックマークに追加