根子岳でバックカントリースキー
3月8日
山スキーの練習をしなければと焦りつつ、気がつけば3月に突入してしまいました。
山と渓谷社の『山スキールート212』を読みながら、今回の目的地を、根子岳に決定!
・根子岳の概要と難易度について
根子岳は、長野県にある山で、標高2,207メートルです。
花の百名山も数えられる山で、登山の難易度としては初心者向きのハイキングが楽しめます。
夏には付近一帯でたくさんのお花が咲き乱れ、とくにウメバチソウが有名です。
我が家の家紋も梅鉢なので、なんだか親近感が湧きます。
冬は裾野の菅平高原の奥ダボススノーパークからスノーシュートレッキングが楽しめます。
・根子岳登山ルートとコースタイム
早朝5:00に都内を出発し、根子岳の登山口?となる菅平高原の奥ダボススノーパークへ。
9:00過ぎに、奥ダボススノーパークの無料駐車場に滑り込みましたが、問題なく停めることができました。
まずはリフトで山頂へ向かいます。
リフト料金は1回券が400円です。そのうち100円が保証金なので、下山時にリフト券(カード)返却すると戻ってきます。
登山届の提出場所を、リフト券売り場のお姉さんに確認すると、そのまま受け取ってくれました。
フード付きの第一リフトに乗ります。
ザックが大きいので、斜めに座ります。
リフトの速度で流れる景色。白樺が立ち並ぶゲレンデは、何もかも白く輝いています。
あっという間に山頂駅に到着。
ここでシールを張り付けます。
一年ぶりのスキーシール。
グル―も生きています。
不慣れな作業も、これだけロケーションが良いとわくわくします。
<根子岳登山ルート・コースタイム・ポイント>
・奥ダボス第一リフトで山頂駅へ
・山頂駅から根子岳山頂までハイクアップ
・スキー使用で約3キロの道のりを、ゆっくり気味で約2時間30分の予定
・途中にトイレはありません。
・避難小屋がありますが、あくまで緊急シェルターです。
・日光を避けるようなポイントもほとんどありませんので、日焼け対策は念入りに。
・奥ダボススノーパークのおすすめポイント
山頂駅には、根子岳の直下まで運行している雪上車があります。
その名もスノーキャット!
積雪期に登ると3時間かかるところを、25分で到着してしまいます。
料金は大人3300円、子供(小学生以下)1800円。
今回は、登山の訓練(という名のダイエット)なので、ハイクアップしますが、
パウダー滑走の練習だけの目的でしたら、こちらの利用がオススメです。
私自身も、この後、とある理由から後悔することに・・・(泣)
自力で登山するにしても、リフトを利用してスタートできるだけでも、標高が稼げるし、標高が高い分、良い雪質で滑れるのはありがたいですね。
・ハイクアップ開始
さぁ、ビィンディングの踵をフリーにしたら、
根子岳、いざ、ゆかん!
パタン、パタンと交互に進むスキー板。
一面が銀色で、反射した陽光が網膜に突き刺さります。
ついついペースが上がってしまいます。
10分登っただけでこんなに進みます。
ジグザグに切り返さなければならないような急傾斜もなく、ひたすら直登します。
すぐに汗ばんできますので、シェルのジッパーを開けて調整します。
ブーツのバックルをすべて解放し、足首の固定もハイクモードにしています。
登りやすい♪
一般滑走ルートはピステンが走って圧雪されているので、ぐんぐん進みます。
冬のおわりの花びらのような雪がついた樹々のあるピーク、こんもりした根子岳が見えます。
足を止めると雪面を撫でた風が、心地よく感じます。
避難小屋。
所々で、スノーシューを楽しむお客さんが、写真を撮ったり、休憩したり。
笑い声が、遠い地平から輝く春の予感とともに、静かに響きます。
ん?何かおかしい・・・。
足首と土ふまずがヒリヒリします。
やっちまった!
ブーツのバックルをすべて緩めていたのがまずかったのか、ブーツの中で足がかなり動きます。
登りやすいのですが、これはスキーを履かずにザックに固定して登る場合のセッティングですね。
すっかり忘れ、ゆるゆるのブーツでスキーを履いたまま登り続けたため、ブーツの中で動く足が、インナーと擦れてヒリヒリしてきました。
ネコの背中のような山容のピークが、見えているのになかなか近づかない。
なぁ~にぃ~!?やっちまったなぁ!!
ヒリヒリが増して、焼けるような痛みに!
ブーツを脱いでテーピングしなければならないところですが、面倒なのでそのまま登り続けてしまいました。
このときはまだ「小さいマメでもできたのかな?」と。
「すごく痛くても、脱いでみるといつも小さいマメだから平気、平気」と安易に考えていました。
そもそも圧雪した箇所を登るのなら、スキーはザックに括りつけて登ってもよかったのかもしれません・・・。
一歩一歩が痛みとの戦い。
体力も心肺も全然平気なのに、足の痛みでペースが落ちます。
スノーキャットにも2回抜かれました。
おまけにドッグにも抜かれる始末(苦笑)
なかなか進まない。
休むと一時的に痛みが楽になるのですが、再び歩き出すと痛みが増します。
休み過ぎず、歩き続け過ぎず、数分進んででは数秒休む作戦でガンバ!
ひぃ~!
ザックの重さを恨みます。
ビーコンにゾンデ棒はまだしも、スコップにツェルト、ビレイヤーダウンまで。水は2リットル。ストーブにクッカーまで詰め込んで、普段の日帰り登山と変わらない重さがすべて足の裏に!
木が多くなってきたということは、ゴールも近いはず!
頑張れ私の足!
樹林帯が開けると、スノーキャットの終点、折り返しの広場に出ます。
ここから山頂は5分程。
急傾斜になるので、広場にスキーをデポして登ります。
ツアーブーツでも歩きにくい。
足の痛みに耐えながら、つま先を蹴り込んで一歩一歩。
出発から3時間かかって山頂です!
一気に強風が。
シュカブラもエビの尻尾もできています。
普段なら山頂でしばらく過ごすのですが、とにかく足が痛いので、広場に戻ります。
少しでも足を使わないように、尻セード。
広場に到着すると、一刻も早く座りたいので、シートを敷いて座ります。
一人用の折りたたみマットは便利ですね。
おにぎりと、カップ麺、お菓子で休憩。
ストーブはノーマルガスで点火しました。
お砂糖をたっぷり入れた紅茶が疲れに効きます。
山専ボトルはまだまだ熱湯!さすが!
一息ついて周囲を見渡すと、絶景です。
谷川岳に、一番奥は、福島の駒ケ岳まで。
反対側には北アルプス。
槍が見えます。
・パウダーの難しさ
さぁ、シールを剥がします。
ブーツのバックルを締め、いよいよ滑走です。
念のためGPSも起動させます。
山頂から尾根をずっと降りると、奥ダボスの駐車場まで行けるのですが、まだ自信がありませんので、キャットが通った圧雪されたコースの脇を攻めます。
パウダーに突入すると、膝上までの深さ。
私のレベルだと、ゲレンデとはまるで違う滑り方を要求されます。
板を揃えて浮力を稼ぎます。
同時操作と上下運動で、体の側方に板を押し出すと、あら不思議。
雪が圧縮されて、そこが土台となりスキーが浮いてきます。
そのタイミングで抜重して逆ターン!
ゲレンデでは良しとされない上下運動の癖が役立ちます。
うぅ、足のマメが焼けたように痛い(泣)
あぁ!
無理に操作してしまい、トップが潜り込み開脚前転!
ずぶずぶと沈んで、起き上がるのも大変です。
気を取り直してもう一度。
バフッ、バフッとターン・・・
きゃぁ~!!
またトップが沈んで転倒!
沈んで起き上がれないときは、お尻の下に雪を詰め込んで土台を作ります。
スキーを履くときは、テール側を雪に刺して、ストックを山側に刺して支えにすると履きやすいです。
でも緩斜面では段差を利用できないので、なかなか苦労します。
なんだこの難しさは!?
でも楽しい♪
そんなことを繰り返して、あっという間にリフト降り場に到着です。
もう一度ハイクアップしたかったですが、足の痛みが限界です。
3時間かけて登ったのに滑走はたったの30分程。
ここから先はゲレンデを滑ります。
圧雪されたゲレンデの滑りやすさにびっくり。
・まとめ
・バックカントリー初級者向けのコースでしたが、いきなりパウダーゾーンを麓まで滑るのは、慣れていないと危険だと思いました。
ゲレンデで上手く滑れても、パウダーはまったく滑り方が違うので、もっと練習しなければ。
・今回はハイクアップで足の裏に直径8センチ大の大きなマメができてしまう、という初歩的なミスをしてしまいました。雪上ではなかなか靴を脱ぐのも大変ですし、本気の雪山で靴下を濡らしてしまったら命取りです。足の弱い箇所には前もってテーピングで保護しておこうと思いました。
次回は、パウダーの練習のみを目的に、是非スノーキャットを利用してみようと思います。
足も痛めたし、たくさん転んで、滑走時間はあっという間でしたが、本当に楽しい時間でした。
※個人の記録になります。内容の正確性は保証できません。