乗鞍岳 登山ルートと注意点の紹介
・乗鞍岳の概要
乗鞍岳は、標高3026mの剣ヶ峰を主峰に、23のピークを連ねる山の総称です。
7つの湖と8つの平原を擁し、雪渓にお花畑と、四季を通じて美しい景観を楽しむことができる名峰です。
・乗鞍岳へのアクセス
登山ルートはいくつかありますが、一番メジャーなルートは、バスを利用して「畳平」から登り始めると、約3時間で往復できてしまうので、初心者の方にもおすすめです。
バスは、岐阜側の「ほおのき平」か、長野側の「乗鞍観光センター」から。
マイカー規制のため、バス以外の交通手段はありません。
今回は、前夜に長野側の乗鞍観光センターに到着しましたが・・・
駐車場が封鎖されている!!
入口の看板を見ると、ロードバイクのヒルクライミングレースが開催されるため、バスが運休でした!
時間とガソリンをロスしますが、急遽岐阜県の「ほおのき平」へ。
ガスでほとんど前方が見えない山道を、恐怖でビクビクしながら走ります。
途中、鹿の群れや、キツネが道路に出てきて、深夜の山道ならではのドキドキわくわくを味わいました。
・乗鞍岳 ルートの詳細
バスの始発は、グリーンシーズンは4時台から。
かなり早いのですが、早朝は雨。
昼前から青空が広がる予報なので、
数本遅らせて、のんびり7時に出発します。
バスで乗鞍スカイラインを進みます。一気に標高をあげるので、頭痛が心配でしたが、たっぷり寝たので快調!
日本一標高の高い場所に位置するバス停、畳平。
すでに標高2702メートル。
バスを降りると、広大な火山群に囲まれ、緑の峰々が目に飛び込んできます。
黒岳、恵比寿岳を背に、鶴ヶ池沿いの遊歩道を進むと20分ほどで富士見岳です。
富士見岳を登らないルートもありますが、せっかくだし、短時間なのでいつもここを経由していきます。
高山植物の女王、コマクサもまだ残っていました。
右に見えるのは、不消ヶ池。
その奥の摩利支天岳の山頂に、コロナ観測所が見ます。
整備された道を摩利支天を左から巻くと大雪渓と肩の小屋が見てきました。
大雪渓はほとんど雪が残っていません。
スキーの人もいますが、「大?雪渓?」
6月に来た時は、こんな様子↓
肩の小屋には、とてもきれいな公衆トイレが整備されています。
肩の小屋の裏手に回ると、剣ヶ峰が目に飛び込んできました。
溶岩のゴツゴツした登山道を進みます。
整備されてはいますが、「これぞ高山!」という雰囲気に包まれ、テンションもさらに上がります。
まだまだスタミナは十分ですが、標高が高いので息が上がります。
コルまで登りきると、反対側に権現池が見えます。
前方のピラミッド状の山が剣ヶ峰。
てっぺんにちょこんと見えるのが剣ヶ峰山頂の本宮です。
ここからは、傾斜がきつくなります。
登りと下りのルートが分かれているので、左の登りルートを進むと、乗鞍頂上山荘。
ここは、宿泊はできませんが、飲みものやお土産の手ぬぐいやTシャツが売っています。
頂上山荘から数分で、剣ヶ峰の頂上。
裏手の長野県側は、朝日神社
山頂岐阜川に向ているのは乗鞍本宮。お守りを買うことができます。
3000m峰からの景色は最高ですね。
一体の大火山群に囲まれた絶景が広がります。
山頂は狭いので、一度コルまで下山します。
下りのルートは、岩がゴツゴツと大きく、歩きにくい。
不安定な岩もあるので、不用意にポールで体重をかけると危険です。
コルに戻ってきました。
ここで昼食にします。
今日は、スイスの「ケーゼシュニッテ」を作りました。
行動時間が短い山なので、材料や道具をたくさん持ってこられるので、楽しく食事ができました。
ケーゼシュニッテとコーヒーを楽しんでいたら、だんだんと雲がなくなり、青空が広がってきました。
乗鞍の空は広い!
雲は布団のように眼下に留まり、まるで天国にいるようです。
名残惜しいですが、バスの時刻があるので、ゆっくり下山します。
空を反射する不消ヶ池。
富士見岳には登らず、整備された道を進み、不消ヶ池の先から、お花畑の遊歩道に寄り道します。
一周30分程度の遊歩道は、豊富な高山植物が咲き誇り・・・という予定でしたが、時期的にかなり少なくなってきました。
8月下旬となると、山は秋の色が濃くなってきていますね。
・まとめと注意点
乗鞍岳はバスを利用することで、短時間で登れてしまいます。
ですが、ここは北アルプスの3000m峰。
登山道は整備されていますが、悪天候時は、ガスで何も見えなくなってしまいます。
Gパンにスニーカーでは濡れて低体温症になる危険もあります。
化繊のウエアに、透湿素材のカッパ、底の固いトレッキングシューズを揃えるだけなら、それほどお金もかかりません。
過去に、畳平~黒岳周辺で起こってしまった「熊襲撃事件」も記憶に新しいと思います。
山にお邪魔しているのは人間の方。餌となる食べ物を捨てたり、熊を目撃しても、珍しがって写真を撮ったりせずに、静かに立ち去るようにしましょう。
・YouTube
壮大な景色や登山道の様子を動画にもアップしました。
是非ご視聴&チャンネル登録お願いします。
あっという間だった乗鞍岳登山。
バスを利用して、楽々アプローチの北アルプス3000m峰。
眩しい緑、澄み渡る青空、可憐な花々が風景に彩りを添える夏の乗鞍岳。
壮大な景観美は、初心者からベテランまで楽しむことができる貴重な名峰です。