7月18日
昨日下山する予定が悪天候のため、一泊延長することに。
chi-sk8.hatenablog.com
三日目、早朝3時。
背中の痛みで目が覚めました。
やっぱり二泊以上のときはエアマットが欲しいなぁ。
行程も短かったので、ザックの重量的にはまだ余裕があったんだから、持ってくればよかった。
風が弱まっていることに気付き、チャックを空けると満天の星が。
濃紺の星空に稜線のシルエット。
コーヒーを入れ、固まった背中と眠たい脳をほぐします。
御来光を見る為、3:50木曽駒ヶ岳山頂目指し、いざゆかん!
御来光の待ち時間の寒さに備えて、フリースにソフトシェル、ハードシェルと、ありったけの服を着込みました。
ヘッデンを点けて一歩一歩。
遠く後ろからもヘッデンの明かりの列が見えます。
まるで宇宙を走り抜ける銀河鉄道みたい。
ただただ、息を切らしながら歩き続けるだけ。
そしてキレイな景色を見たいだけ。
五感で山を感じながら、山の一部になったようです。
山の魅力って何でしょう?
いつから山が好きになったのかな?
歩きながらそんなことを考えていました。
ヘッデンはブラックダイヤモンドのギズモです。
これは、明るさの調整もできて、電池も長持ち。
そして防水で、なおかつリーズナブル。万能です。
よくビカビカの明るさのままテン場や小屋の中を歩く人がいますが、ちょっとびっくりしますね。
あ、でもギズモは真っ暗な樹林帯の夜間登山には少々光量不足です。
夜間の行動や、パーティーの先頭を行くならスポットがおすすめです。
この色カッコイイ♪
明るさと電池の持ちのバランスで比較すると一番おすすめです。
それにしても寒い。
グローブを忘れましたが厳冬期に凍ったことに比べればなんてことないです。
それよりも耳から冷たい風が入って頭痛と肩こりに。
でも10分程で登頂しました。
うん、丁度いい時間。
東の空が幻想的なグラデーションになっています。
まだか、まだか。
みんな静かに待ちます。
オーケストラコンサートが始まろうとしているみたいに、
期待と心地よい緊張感。
ゆっくりと、群青の空が紫、橙と色を変化していきます。
そして瞬間、光芒が水平線に伸びたかと思ったら、
幾筋もの光の矢を天に放ち、一気にその姿を見せ、地上全体を優しく照らします。
ふと振り返ると宝剣岳の岩肌が閃々と照らされています。
1日伸ばして本当によかった。
寒さも忘れ、何度もシャッターを切ります。
しまいにはシャッターを切ることも無意味に思い、
「あぁ」、「うわぁ」と小声を漏らしながら、
岩の上で立ち尽くします。
ただの地球の出っ張りの1つに過ぎない山頂ですが、
今ここに立っているのはすごいことだなと思います。
あぁ、下山するのがもったいない。
しばらく頂上をウロウロします。
雲海に浮かぶ御嶽山
二晩お世話になった頂上山荘
あぁ本当にキレイだな。
自分が細かいことに悩んだり、喜んだり、イライラしたり、落ち込んだりしているときも、山は毎日そこにあって。。。
お天気のときも、暴風雨のときも、ブリザードのときも。
私が生まれる前から、そして死んだ後もずっとあるんだろうな。
水や木や動物たちなどの生命を育んで、時には命を奪う。
また有難く、また畏れ多い圧倒感を身体で感じました。
そう思うと自分の悩みなんて本当に小さなことなんだな、としみじみ戒めます。
山に来た誰もが考えるだろうことを私も考えていました。
気がつけば一時間経っていました。
名残惜しいですが、下山します。
のんびり撤収作業です。
日射しも強いので、テントを乾かしながら畳めるので、帰宅後のお手入れが楽です。
あ、実は山道具のお手入れ結構好きなんですけどね。
記念に宝剣岳の手拭いを購入しました。
なにか特別な意味を持ったお土産になるでしょう。
下山はあっという間です。
今日も登ってくる人がたくさんいました。
「こんにちは」
「いってらっしゃい」
「ありがとうございます」
と知らない人に損得なく挨拶できるのも山の魅力ですね。
最後に千畳敷から山を見上げ、
また明日から頑張ろう。
そしてまた山に来よう。
と心に誓いました。
何度も来た山なのに今回はなんだか特別な山行になった気がします。