高尾山でナイトハイクしてきました
夜に山を歩く『ナイトハイク』。
最近はナイトハイクをする人も少しづつ増えていますね。昼間とは違った発見や楽しみ方があります。
・ナイトハイクってなに?
私の場合は登山のときに、深夜3時とか、2時から行動開始することも多く、五感を研ぎ澄ませて山の懐に入っていく感覚が結構好きです。
最近では、深夜からの行動開始ということではなく、純粋に夜の山を楽しむ『ナイトハイク』が密かなブームのようです。
周囲からは『ちょっと気になるけど怖くないの?』、『何が楽しいの?』と聞かれることが多いので、その魅力や注意点をまとめてみます。
・ナイトハイクにおすすめのコース
関東にはアクセスも良く、登山道の整備されたハイキングコースがたくさんあります。
中でも大人気なのが、高尾山。
高尾山は都心からでも電車で1時間。登山口に駅があり交通の便も良好です。
富士山と並んでミシュランの三ツ星に選ばれた人気のハイキングスポットです。
山麓からケーブルカーとリフトがあり、中腹の472メートルまで楽に登ることができます。
山頂は標高599メートルで、遠くに新宿副都心を望むことができます。
縦走の練習にも最適で、陣馬山までの縦走路なんかも、たびたびメディアで紹介されています。
登山道が整備されていて、道迷いがしにくいことが、ナイトハイクにおすすめです。
また、コースは7つあり、体力に合わせて選ぶこともできますし、下山だけケーブルカーを使うこともできるので、エスケープルートが構築しやすいのもおすすめポイントの一つです。
※ケーブルカーの時間は事前に調べてから行きましょう。
それから、トイレや自販機が豊富なのも嬉しいですね。
・ナイトハイクの持ち物
まずはしっかりとした準備が必要です。
基本的なハイキング装備に加え、絶対に忘れてはいけないものを以下にまとめます。
〈ナイトハイク用の装備〉
・ヘッドランプ(十分な明るさのもの)
私のはブラックダイヤモンドのスポット325
※私はヘッデンを予備としてもう一つ持っていきます。
・予備の電池
電池の予備はもちろん、事前にバッテリーチェッカーで電池の残量を点検しておくと安心です。
ナイトハイクでは、ライトの明るさを最大にしますので、消耗も早いです。
・熊鈴
高尾山でも、裏高尾方面では熊の目撃情報があります。コロナの影響で、登山者が減ったことで、熊の行動範囲が広がっているようです。
ポータブルラジオをかけながら歩くと、熊除けにもなるし、不安感も減ります。
※同日昼間に登っていたGABO父さん撮影
〈普段のハイキング装備〉
・雨具や行動食、水分、地図、コンパス、救急セットなど、ハイキング装備
〈服装〉
普通の登山の服装ですが、化繊の速乾素材などでしたら、スポーツウエアでも十分です。
靴もスニーカーで十分ですが、かなり汚れることを覚悟してください。
〈私の個人的こだわりで持って行ったもの〉
・無線・・・趣味です。
・防水シュラフカバー・・・気が向いたらベンチで寝るつもりでした
・ストーブ、クッカー・・・コーヒーを入れる予定でしたが、暑くてやめました。
・大量の行動食・・・食べる間もなく、あっという間に山頂でした。
・虫かご・・・クワガタはいませんでした。
〈持っていけば良かったもの〉
・トレッキングポール・・・下山時は結構すべるので、あれば安心でした。
また、クモの巣を払うのも便利です。
・高尾山のルート詳細
ということで、早速高尾山へ。
駐車場も夕方は空いています。
夕闇に浮かぶ駅は、木材を多用したおしゃれな造り。
駅からお蕎麦屋さんの立ち並ぶ小川沿いを登山口方面に進みます。
日中は暑苦しかったのに、小川の流れる音に相まって、心地よい風が吹いています。
すぐにケーブルカーの山麓駅。
土産物屋も閉まり、夕闇の訪れを待っています。
ケーブルカー駅のすぐ左脇から、今回は「稲荷山コース」にいきます。
稲荷山コースは、他のコースに比べ、尾根になっていますので、比較的地面が乾いていることが多いです。
コロナ自粛だったため、久々の山。ワクワクします。
ヘッデンを装着し、自作の虫よけスプレーをしたら、
高尾山、いざゆかん!
スタート時間は19:30
昨日まで雨だったので、地面は滑りやすいです。
それでも斜度も緩く、整備されているので、安心して歩けます。
すぐに吹き出した汗が、背中を流れます。
息も上がりますが、嫌じゃない。
「この感じ♪」
やっぱり楽しいですね。
高尾山は小さいときから数えきれないほど、いろんなコースを登っています。
星を見たり、ご来光を見たり、夜間にも何度もきているので、小さい頃のことが思い出されます。
全長3.1キロのコースで、200メートル毎に、看板がありますので、タイムの目安になります。
ヘッデンの照らす範囲以外は真っ暗闇。
見えないところに向けて、聴覚や嗅覚、肌の感覚が敏感になります。
自分の影、砂利を踏む音、落葉の音。
何かの動物の足音など、怖がりの人は大人数で行くことをお勧めします。
すぐに展望台
足元に幻想的に浮かびあがる白いキノコ。
紙芝居のように、ライトの照射範囲にカットインしてくる色々な昆虫やクモ。
夜間特有の密度の高い山の空気を胸一杯に吸い込みながら、全身で山を感じます。
頭上も木々で覆われ、時々隙間から月が顔を出します。
月の周りが虹色に霞んでいるのは天気が悪くなる兆候。
途中には生物や植物の説明看板もあり、勉強になります。
階段の木の部分は濡れて滑りやすいので、下山時はとくに注意が必要です。
稲荷山コースは分岐が2か所あるので間違えないように注意します。
ルートの終盤は道幅が狭くなるので、クモの巣が増えてきます。
縦糸が多かったので明日は雨かな?
アワフキムシ。
最後の階段を登りきると、山頂です。
今日は誰もいません。
山頂の自販機は夜間でも動いています。
も・ち・ろ・ん
コーラで乾杯でーす!ありがとーございまーす!いただきまーす!
昼間は晴れていれば富士山が見えますが、夜は何も見えません。
曇り空のため、星も見えない。
山頂をうろうろして一号路の方に向かうと、夜景ポイントがあります。
夜は、新宿副都心の夜景が、遠くから微笑みかけてきます。
実は、山頂よりも、ケーブルカーを降りた「かすみ台」という展望台の方が、綺麗に夜景が見えます。
木々に覆われた山頂ですが、風が吹き抜け、身体の熱気をさらっていきます。
さて、晩御飯をいただきます。
コンビニで買った冷やし中華と、
『稲荷山コース』なので稲荷寿司!
そして、食後の楽しみに買っておいたパウチのアイス!・・・は完全に溶けていました(泣)
山頂はベンチやテーブルがありますので、誰もいない貸し切りの山頂でゆっくり食事ができるのも、ナイトハイクの魅力のひとつですね。
登山用のLEDランタンは軽くてコンパクト。ソーラー充電なので、年中持ち歩いています。
無い場合は、ヘッデンに白いレジ袋を被せると、周囲全体が明るくなります。
ベンチで朝まで過ごすのも良さそうでしたが、深夜から雨の予報でしたので、今回の山行はここまでとして、下山します。
・ナイトハイクの注意点
・日中に登ったことのあるコースを選ぶこと。
夜間の登山道は日中とはまったく違って見えます。道迷いしくいルートでも、滑りやすい箇所もありますので、危険を予め知っておくと安心です。
・登山計画を知人や家族に教えておくこと
ルートが安全でも、急な病変もあります。日時、ルート、持ち物、パーティー人数、連絡先を知らせておくと安心です。
・足元ばかり見ていると、ルートを見失ったり、頭上の倒木に気づかないこともあります。昼間よりもゆっくり歩いて、足元と向かう先を交互に見ながら歩くのがコツです。
・夜は道が濡れている・・・雨ではなくても、夜露で登山道や、露出した木の根がかなり濡れています。汚れるのはのちろん、滑りやすいので要注意です。
・虫は意外と少ないです。それでも苦手な人にとってはきついかもしれません。
とくにクモの巣は数回浴びると思っておいてください(苦笑)
その他の注意点はこちらの記事も参考に↓