2016年9月30日(金)~10月1日(土)
涸沢カールでテント泊
前回に引き続き、北穂高岳に登る予定で、さらに秋の深くなった山を目指し、テント泊で穂高に向かいました。
- 涸沢カールでテント泊
- 車中泊
- 上高地バスターミナル~横尾
- 横尾~涸沢
- 涸沢ヒュッテ テント設営
- 昼食
- 夕食
- 涸沢カールの夜景
- 10月のテント泊装備と服装
- 2016年10月1日(土)
- 下山
- まとめ
- 一週間後・・・
- 北穂高へリベンジしました!
前回は木曽駒ケ岳↓
車中泊
9月29日、20時に東京を出発し、空いている高速を気持ちよくドライブしながら24時前、上高地沢渡駐車場到着。
平日だからでしょうか、駐車場はガラガラでした。
Tシャツ一枚では肌寒く、ソフトシェルを羽織りましたが、それでも寒かったです。
ダウンジャケットはザックの中だったので、取り出すのが面倒になり、自分の自律神経のみに頼って、ここで仮眠を取ります。
熟睡なんかできるわけもなく、4:00起床。
身支度を整え、4:30タクシー乗り場へ。
今回も運よく相乗りができました。
いくつもの隧道をくぐり抜け、おなじみ釜トンネル。
じつはこの釜トンネルは日本で一番勾配がきついトンネルなんですね。
勾配は11%。4年ほど前に法律で規制され、トンネルの勾配は最大9%までになったそうです。
トンネルを越え、まだ真っ暗な山道をタクシーが飛ばします。
あっという間に1番のりで上高地バスターミナル到着!
上高地バスターミナル~横尾
登山届けを提出し、すぐに出発します。
穂高岳へ向けて、いざゆかん!
まだ暗いのでヘッデンを点けて進みます。
この程度の暗さならこれで十分ですね。
ブラックダイヤモンドのギズモ。
光量も調整できますし、電池式、コンパクト、防水なので、いつもザックに入っています。
夜間の行動の時、集団の先頭でルートを見ながら行動するときは、ブラックダイヤモンドのスポットを使っています。
かっぱ橋の辺りでぼんやり空が明るくなってきました。
朝に切り替わろうとする上高地をずんずん歩きます。
冷たい風も気持ちいい♪
ここから横尾まではほとんどフラットな道のりです。
左側に明神岳と梓川を見ながら。
明神館
途中の吊り橋にサルがいて、写真を取ろうと近づいた方がサルを怒らせてしまい、追いかけられています。
しかもコッチに逃げてきたので、私も走るハメに。
徳澤園
パンが焼けていたら買おうと思っていたのですが、さすがにまだ早いようです。
7:50横尾山荘
恒例のコーラを補給します(笑)
黒糖まんじゅうも。
さあ、ここからが本番です。
前回の槍ヶ岳はこのまま直進しましたが、
横尾~涸沢
今回は吊り橋を渡ります。
槍ヶ岳の時、ここ横尾で出会った山岳警備隊の人は涸沢から、ここ横尾まで降りてきて息ひとつあがっていませんでした。
どんな山行になるのか胸が弾みます。
吊り橋入口には注意書きがありました。
9月前半の大雨で一部道が崩落していたそうです。
涸沢ヒュッテのHPでも崩落や修復の情報がアップされていました。
出だしはなかなか歩きやすい登山道です。
紅葉はまだのようです。
屏風岩
15分ほど歩くと岩小屋跡
だんだん傾斜が出てきました。
気温もぐんぐん上がり、汗が滴ります。
横尾から50分で本谷橋に到着です。
この吊り橋はかなり揺れますね。
ジャックスパロウのように渡ります(ワラ)
沢の水で顔を洗います。
手で水をすくうと、骨に染みる冷たさです。
ここからはいきなり急登になります。
ザイルが張られたガレ場をトラバースします。
ここはそんなに怖くありませんでした。
少し山が色づいています。
さすがに太腿がパンプしてきいました。
息もあがる。
同行者が遅れてしまいましたが、
待っていると逆に気をうつかう言うので、少し先に進みながらペースを落とします。
大きなガレ場をトラバースします。
落石注意!休まず進め!の看板が。
ここは対面通行ができませんので、譲り合いの精神で。
上を見上げると軽自動車ぐらいの岩も。
あんなのが落ちてきたら・・・・。
Sガレ
山と高原地図では「Sガレ」と記載されて、コースタイムのポイントになっています。
たぶんここの事でしょうか?
ここから50分で涸沢ヒュッテのはず。
ガンバ!
紅葉は黄色とオレンジが混じります。
今年は9月に入ってから台風が来てしまったせいで、例年の絶景にはならないようです。
ダケカンバも赤くなっておらず、緑と黄色が混じったまま落葉していました。
それにしてもキツイ!
奥穂高と右側が涸沢槍
山の落ち葉は都会と違って不規則に降ってきます。
葉っぱ一枚一枚が自分で決めて自由に落ちているようです。
うろこ雲やちぎれ雲が高い空を吹かれていきます。
涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐
テン場の受付はヒュッテなので、左に。
ヒュッテの吹流しが見えているのに、もう数分なのに、
休み休み登るので時間がかかってしまいました。
10:50涸沢ヒュッテ到着
コースタイムよりは早かったのですが、
太腿はパンプしてしまったし、心肺も乱れた。ペース配分を間違えたのかな。
う~ん、課題とします。
涸沢ヒュッテ テント設営
テントの受付は12:00からですので、先に設営します。
涸沢のテン場はガレガレの岩場です。
念のためマットは2枚持ってきましたが、コンパネも500円でレンタルできます。
今回は2泊の予定ですので、ベースキャンプの寝心地は大事なので奮発してレンタルしました。
3人用のテントなので2枚借ります。
コンパネを敷き、小石で勾配を調整します。
プロレスのリングのように、一人ジャーマンスープレックスで寝心地を確認(ワラ)
我が家の完成です♪
さて、今日中に北穂高に登る予定でしたが、
ここから往復5時間。
南稜の取り付きが核心かな?
山頂を見上げながら考えます。
足の筋肉がかなりパンプしていますので、安全のため、明日登ることにしました。
天気予報では、朝晩が雨で日中は曇りとのこと。
昼食
12:00になりましたのでテントの受付を済ませ、ヒュッテの受付にも行ってみました。
すると。
お弁当や食事は、テント泊でも注文でるようです。
「お弁当」って言葉の響きだけで美味しそうに感じる私は迷うことなく即注文!
売店のテラスからは絶景です!
穂高連峰に囲まれながら、ラーメンとおでんを注文してしまいました。
おでんは好きな具材を選べる方式です。
せっかく大変な思いで食料を持ち上げてきたのに・・・小屋の売上に貢献します。
テン場に戻る前に、恒例のトイレチェックです。
トイレは洋式ゾーンと和式ゾーンがあります。
トイレ横にも自販機があり、CCレモン、コーラ、カルピス、お茶、ビール、コーヒー等、豊富でした。
水場は無料です
テントに戻り、コーヒータイムです。
前穂、奥穂、北穂に囲まれ、ぐるぐる流れる雲の合間から暖かい陽光が気持ち良い。
Tシャツ一枚で過ごせます。
気温は約19℃
テントの中はかなり暑くなっていました。
写真を撮り合っている年配のご夫婦や、大学の山岳部、喧嘩をしているカップル。
人がたくさんいても秋のテント場はなぜか静かです。
太陽が北穂に隠れると少し肌寒くなってきましたのでソフトシェルを羽織ります。
明日の天気を確認するため、常駐隊の詰所に向かいます。
天気は変わらず・・・
パトロールから戻った警備隊の方に、ルートの状況を教えてもらいました。
奥穂高も北穂高も難易度は同じとのことです。
ただし、ザイテンルートで9月中に3件も連続して死亡事故があったそうです。
そんなに難しい箇所ではないはず。
お聞きすると、いずれも60~70代の方で、滑落。一人は死因が低体温症だったそうです。
ヘルメットや、防寒着、笛等、最低限の装備の大事さを再確認しました。
亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
その後お昼寝岩でまったり過ごすと、屏風の頭の上に虹が!
ついつい「虹だ~!」と大きな声を出してしまいましたが、みんな虹に気づいたようで歓声が上がります。
私の大声もお役に立ててないよりです(汗)
後ろのおじさまとともにお姉さん座りで奥穂を眺めます。
目が広角レンズになったような錯覚を覚えるスケールです。
夕食
今回はすき焼きうどんです。
山ですき焼き
材料は、2人分で、
レトルトの牛丼
鍋用カット野菜
冷凍うどん
卵
割り下(100ml)
水500ml
作り方は簡単。水、割り下、レトルト牛丼、野菜を鍋で煮込みます。
野菜に火が通ったらうどんを入れて、1分ほどで完成!
甘めの味付けで山の疲れた身体には丁度良いです。
しばし食後のコーヒでまったり過ごします。
涸沢カールの夜景
テラスに行き、テン場の夜景を眺めます。
今日は平日なので、テントの数が少ないですが、
夕闇に浮かぶ色とりどりのテントの灯り。
涸沢小屋の灯り。
濃紺の夜空に穂高の稜線が浮かびます。
曇っていますので、星は出ていませんが、それでも幻想的でうっとりしてしまいます。
お花摘みを済ませ、歯磨きをします。
テラスで行われている酒宴を横目に、テントに戻ります。
私もテントのランタンを点灯して、夜景に参加します。
私のお気に入りは、Lumin AIDの折りたたみLEDランタンです。
ソーラー発電で、とても軽量なので重宝しています。
ヘッデンに被せるとランタンに早変わりする袋のタイプも使ったことがありますが、ヘッデンの電池が心配なので、この商品に落ち着きました。
他社からも同じような折りたたみのものが出ていますが、Lumin AIDは上部の取っ手がボタンで取り外せますので、テントの天井の輪っか状の紐に取り付けやすいです。
他社モデルは取っ手が固定式なのでカラビナ等を使う必要があります。
かれこれ3年程使っています。さすがにソーラーパネルがくすんできましたが、まだまだ使えそうです。
19:00の時点で外の気温は7.2℃
するとパラパラと外張りに当たる雨の音が。
急いで靴をビニール袋に入れます。
10月のテント泊装備と服装
銀マット
サーマレスト リッジレストクラシック
モンベル バロウバッグ#3
パタゴニア ナノパフジャケット
今回導入したのはダウンパンツです。
ナンガ ポータブルダウンパンツ
素足に履いてみると、ペラペラに感じますが、それでも暖かいです。
というか暑いくらいでした。
寝るときも、靴下も履かずに、シュラフのジッパーも開けたままで十分でした。
テントもコンパネの上で、地面とも石の隙間がかなりありましたし、マットも二重でしたので快適に眠ることができました。
深夜2:00
フライに当たる雨の音がいつもと違います。
雨粒が大きいような・・・。
ジッパーをあけてみると、みぞれになっていました。
明日は晴れるといいな、と、また眠りにつきます。
2016年10月1日(土)
6:00起床
テントの外は・・・
真っ白
お弁当を受け取りにヒュッテの受付に。
ついでに常駐隊の詰所で天気を確認すると、午前 雨、午後 雨時々キリ
明日10/2も雨
山を見上げても真っ白です。
う~ん。。。
それでもヘルメットを被って登っていく人たちがいます。
初めての山なので、悩みます。
行けるところまで行くか?
明日の天気回復に希望をつなぐか?
このまま下山するか?
いや、他にも行っている人もいるし、出来そうな気もする。
いやいや、そんな判断はダメダメ!
一番のネックは視界不良による道迷いです。
○と×が見えずに、間違って×の方に行ってしまい、踏み外して滑落なんてパターンが一番怖いです。
ましてや初めて登るので余計不安があります。
時々雨が止み、雲が切れたりしますが、上の方は真っ白なガスに包まれています。
「敗退」って言葉がよくないですよね?
何に負けるのか?
正しくは「撤退」です。
勇気ある撤退。考えてみればこのテン場だって穂高じゃないか。
今までで一番悔しいですが、安全が一番です。
雨の撤収も慣れたものです。
今年は本当に台風が多く、夏山シーズンはあまり天候に恵まれませんでした。
おかげで、装備の見直しや、設営・撤収のコツ、雨天の登山道の様子など、勉強になりました。
帰り際、ご挨拶しようと受付に行くと、社長の山口さんがいました。
登れなかった残念な気持ちを伝えると、
「今日はやめといた方がいいよ」と。
「今年は暖かいからまだチャンスはあるよ」と言っていただいて、すこし気持ちがすっきりしました。
後日山口さんと再会できました↓
下山
昨日もそうでしたが、団体ツアーが何組もいますので、すれ違い等でけっこう待つことがありました。
少し歩くと、雨が止んで、暑くなってきました。
秋の植物を見ながら
雨に煙る山道に赤が映えます。
落石注意のガレ場は緊張します。
本谷橋を越えるとサルの群れが。
団体客とのすれ違いの時間が多かったためか、横尾まで3時間もかかってしまいました。
お腹が空いたので横尾山荘で山菜うどんを食べます。
登頂できないなら食べるしかない!と意味のわからない言い訳です。
フロイト心理学でいうところの適応規制、置換というやつですね。
食べればこれまた適応規制の「代償」という名の体重増加が待っていることは忘れていました(ワラ)
外に出ると、天気が回復しています!
でも山の上はまだ真っ白。
と、悔しさを紛らわします。
悔しさ紛らわし第二弾は、徳澤でソフトクリームを食べます!
ここに泊まろうかな~とも思いましたが。
紅天狗茸を見つけたり
謎のキノコを見つけながら
15:30上高地到着しました。
山を振り返り、リベンジを心に誓うのでした。
まとめ
雨天の登山は一度登ったことのあるルートが安心ですね。
体力にも課題が見つかりました。
さすがに人気のルートだけあって、団体客が多く、追い抜きやすれ違いで時間がかかります。それを考慮して余裕のある計画が必要だと思いました。
涸沢ヒュッテは、テント泊でも食事・お弁当が注文できるし、水場も豊富です。
ちょっと高いですが、テント、マット、シュラフもレンタルできますので、荷物を軽くすれば一泊で登頂しやすくなると思いました。
穂高登頂の予行練習だけではなくて、涸沢カールを目的に来るのも素敵ですね。
北アルプス、ますます好きになりました。
一週間後・・・
北穂高へリベンジしました!