2017年7月16日(日)
剱岳 撤退とサプライズ
昨日は装備の重量でかなりバテバテで剱沢まで登り幕営しました。
結局剱はやれず、過剰装備を反省する課題だらけの愉快な登山となりました。
chi-sk8.hatenablog.com
翌年、登頂しました!
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剱沢キャンプ場の概要
剱沢キャンプ場は、約200張りのテント設営が可能です。
飲用可能な水場もあり、トイレは二ヶ所設置されています。
売店はありませんので、さらに10分ほど下った剱澤小屋まで行く必要があります。
ただし夕方18時頃には閉まってしまいます。
微妙な傾斜がありますが、整地すれば岩のゴロゴロじゃないところにテントを張ることができます。
夕方からは別山乗越から雪渓を通って吹き下ろす風が冷たく、寒いです。
気軽な登山者は少なく、静かなテン場という印象でとても気に入りました。
室堂からは3時間30分で、雷鳥坂をひたすら登りますので、装備は軽い方が良いと思いました。
管理小屋には診療所と山岳警備隊の詰所が併設されています。
剱岳 無念の撤退
深夜3時起床。
寒くてうとうとしていたら周りのテントも同じ時間に起き出したようで、ゴソゴソ、ヒソヒソ音が聞こえます。
テントのジッパーを開け外の様子を見ると、ガスが濃く、風が強い。
隣を見るとパートナーがいません。
もう一度外を覗くと、ヘルメットを被ったパートナーがウロウロ徘徊しています。
テントに戻ってきて、「やっぱ天気ダメっぽいね」と落ち込んでいる様子。
私も「やっぱダメっぽいね」と。
それにしてもヘルメットまで被ってやる気満々(泣く)
周りのテントもそのまま撤収しています。
雨が降る前に下山する算段なのでしょう。
私は眠かったので6時まで二度寝します。
6時、ミニクリームパンを食べ、トイレに行ったら撤収です。
ほとんどのテントがいなくなっています。
剱もガスに包まれています。
さらに明日の天気も良くなさそうです。
強風でテントが飛ばされないよう、テントを畳む手順を工夫します。
ガスに包まれるとポツポツと雨粒が。
さぁ、今回は撤退ですが、目標が増えたと思えばよし!
剱沢から剣御前小屋まで
昨日来た道を戻ります。
剱御前小屋までは登りです。
傾斜は緩めなのですが、やっぱりキツい!
剱岳を背負って雪渓を淡々と登ります。
途中で雨が強くなりそうでしたのでシェルを羽織ります。
今日は寒いので雪山から夏山まで使える、モンベルのサンダーパスジャケットです。
簡単な雪山から夏まで使えるシェルです。
ゴアテックスではありませんが、実感として防水透湿は抜群だと思います。
もちろんレインシェル最強はストームクルーザーでしょうけど、布地の頑丈さと、コスパはこちらの方が上だと思います。
あ、暑がりの人で、冬山は別のものを使いたい人はストームクルーザーがおすすめです。
風も強くなってきました。
どんどん濃くなるガスが不安になります。
上空からヘリの音が聞こえますがガスで見えません。
剱岳の向こうを回ってきたようで、山肌すれすれを上昇しています。
大きな機体は「つるぎ」ですね。
事故があったようです。
命がけで救助にあたるヘリ。
私たち登山者はもっともっと気をつけなければと、気を引き締めます。
剱御前小屋に出ると強風が!
寒い!
唇が青くなっていると、山岳会の優しいオジサマが小屋の影に手招きしてくれました。
撤退した無念を伝えると、「今日は止めて正解」と言ってくれて、なんだか気分が晴れました。
『後半で差をつける!』ゼリーを補給します。
剣御前小屋から雷鳥沢まで
周りはガスで真っ白です。
200メートル程下りれば視界が晴れるはずですが、しっかり地図を見ておきます。
ザックの重さでフラつかないよう、慎重に下ります。
所々雪の上を歩きますが、アイゼンはまだ必要ありません。
雷鳥との出会い その一
夏道を行くと、開けたところに雷鳥が!
メスがうずくまって地面をズリズリしています。
可愛い。
雷鳥に元気を貰ってさらに進みます。
雷鳥沢が見えてきた頃、雨粒が大きくなってきました。
すると「ケケケ~」と泣き声がします。
雷鳥との出会い その二
雷鳥のカップルです♪
こんなに警戒心が無いなんて。
全然逃げません。
「あんたたち、こんなにお人好しだから天然記念物になっちゃうんだよ!」と忠告して先に進みま。
岩道が終わるとまた雪渓です。
ここは長いのでアイゼンを履きます。
衣笠草 発見!
すると一際目立つ大きな白い花が!
これは!!
衣笠草です!
全国的にほとんど見ることが出来ない衣笠草が沢山咲いています。
剱岳は登れませんでしたが、今日はある意味ラッキーですね。
登頂できなくても他の楽しみ方があるのも山の魅力ですね。
雪の割れ目。
雷鳥沢に一番近いルートを下りたいので、大走側から回り込みます。
またまた雷鳥。
こんどはたくさんのヒナを連れています♪
沢を越え、浄土川の橋に出ました。
段々天気が悪くなってきます。
雷鳥沢から室堂
雷鳥沢のテントも減ってきていますが、今日到着した登山者ともすれ違います。
ゴールデンウィークは雪に埋まっていたトイレ。
このトイレ前の坂で何度も滑落したなぁ(苦笑)
ここからは室堂までまたまた、また登りです。
上を見ると気持ちが折れます。
「ふんどし」ならぬザックの腰ベルトを閉め直して登ります。
ここからが色々な意味で一番しんどかったかも。
なんてことない遊歩道のようなコースなのに息が切れ切れで、太ももがプルプルします。
観光客とすれ違う時は、格好悪いので涼しい顔で(笑)
ちょっと登山のマナーを知ってる人がいると大変です。
こっちは体力の90%を使い果たしているのに、「登り優先」を守って、仲間内で「ほらほら登る人優先だから避けて待って」なんて言ってくれちゃってます。
挨拶するのも辛いのに、ずんずん登って「ありがとうございます!」と元気を装います(泣)
私のザックを見て、「あそこにはピッケルとかロープとかトイレまで入ってるんだよ。凄いねぇ。」なんて言われて。
いやいや、食べきれなかったソーセージやお菓子、それにコーラとカルピスソーダが・・・とは言えず(恥)
這う這うの体で室堂に到着しました。
まとめ
天気が悪く、ガスが濃いと雷鳥に出会える確率が高くなりますね♪
それに露に濡れた植物たちがとても綺麗に見えます。
衣笠草を見ることが出来たのも貴重な体験でした。
何より身体を鍛え直さなければ!
剱岳、今度こそ!