スパイス専門店直伝!登山に持って行くスパイス梅シロップ
スパイスを加えて作る、ちょっぴり大人の味わいがクセになる梅シロップ。
以前、山で作る炭酸飲料として「コーラ」と「レモンスカッシュ」の作り方を紹介しました。
昔の山屋さんが、ソーダラップ(駄菓子の粉ジュース)を雪解け水で溶かして飲んでいたように、「山でも下界の飲み物が飲みたい!」という人は多いのではないでしょうか?
山小屋でも買えますが、売り切れていたりすることもあるので、私はいつもコーラの材料や、粉末のポカリスエットを持って行くのですが、もう一つ秘密のレシピ、「梅のエナジードリンク」を紹介します。
・梅シロップにスパイスを入れる理由
6月の初旬から青梅が出回り始めると、昔の人は「梅しごと」といって、梅干しや梅酒、梅シロップを仕込み、大切な年中行事にしていたそうです。
私も、この時期は、梅狩りから始まり、梅干しに梅シロップを仕込むのを楽しみにしています。
梅干しも梅シロップも、どちらも保存食として山に持っていけるし、梅のクエン酸は疲労回復になるのでおすすめです。
今回紹介する、スパイス入り梅シロップには、スパイスを加えることで、スパイスの抗酸化作用で、長期縦走のときに飲むと、元気が出ます!
そして、標高の高い山では、味覚が鈍麻しますので、スパイスの風味がとても美味しく感じます。
・材料
梅と砂糖が同量になるようにします。
氷砂糖だけで作るのが、一番スタンダードなレシピです。
今回は、氷砂糖は半分にして、コクを出すために黒糖とキビ砂糖を使いました。
なぜ黒糖だけにしないかというと、ずばり「高価」だからというだけの理由です(笑)
他に糖分としては、ハチミツを入れるのもおすすめです。
そして、一番のポイントは、スパイスを入れること!
市場のスパイス専門店で教えてもらった調合を基本に、毎年色々な組み合わせで作っていますが、今回は一番ベーシックなシナモン、カルダモン、クローブでシンプルに調合しました。
他に、スターアニス(八角)を入れると甘い香りが強くなり、その成分から食欲が増すので、夏山のシャリバテ予防にオススメです。
それから、秋冬はドライジンジャーとブラックペッパーでジンジャエールのような大人の味にしてお湯割りにもします。
カルダモンにオレンジピールやレモンピールを合わせるのも爽やかで美味しいです。
山のエナジードリンク、梅シロップ作り、いざ!
・梅の下準備
まずは下準備から。
1.梅のヘタ(ホシ)を取る
竹串で、梅のヘタを取ります。
青梅をもぎ取ってすぐは、硬くてなかなか取れませんので、1~2日風通しの良い日の当たらないところに置いておくと良いです。
コツは、梅の割れ目のラインから、ヘタの隙間に斜めに串を差し込み、テコのように持ち上げると、パカっと外れます。
2.流水で洗う
梅を傷つけないよう、優しく流水で洗います。
ここで自然界の常在菌を洗い流すことで、保存・熟成中のカビの発生を防ぎます。
3.水分をふき取る
洗った梅をザルに上げ、水気を切ったら、清潔なふきんやキッチンペーパーで水分をふき取ります。
ヘタのくぼみは水が溜まりやすいので、丁寧にふき取ってください。
・保存ビンの消毒
保存ビンは、梅1kgの場合は3~4ℓのものを使うと、保存中に中身を動かしやすいです。
保存ビンは、10分程度煮沸消毒します。
さらに、ホワイトリカーやエタノールを染み込ませたキッチンペーパーでふき上げると完璧です。
・仕込み
それでは、ビンに材料を入れていきます。
梅→砂糖→スパイス→梅→砂糖→スパイス→の順に入れるだけ。
・保存・熟成
このあとは、家の冷暗所で保存します。
すこしづつシロップが溶けだしてきますので、一日に3回程度、梅全体にシロップがかかるように、ビンごと動かして溶けるのを促進させます。
また、梅がシロップにかかっていないと変色しますので、変色を防ぐ意味もあります。
10~15日程度で、砂糖が完全に溶けたら、梅を取り出して完成です。
煮沸したきれいなビンに移し、冷蔵庫で保管して楽しみます。
ちなみに一週間でこんな様子↓
これは、御嶽山 二ノ池ヒュッテさん名物の梅ジュース。疲れが取れる~♪
最後に、シロップをガーゼで濾して、煮立たせない程度に沸騰させると長持ちするそうですが、私はやったことがありません。
山では、水場の水で割ったり、重曹とクエン酸で炭酸割りにしたり♪
日帰り山行では凍らせて持っていき、山で割れば、キンキンに冷えた状態で楽しめます。
山で過ごす時間がちょっぴり贅沢に、そして疲労回復、元気100倍!
山で見かけて、声をかけてくださったら、ストックがあれば御馳走します♪
・YouTube
YouTubeにも詳しい作り方をアップしましたので、是非ご覧ください。