登山女子のぽんこつ日記~はじめての登山やコース、装備など~

登山のこと、山道具のこと、いろいろ紹介します。

パタゴニア

初心者の雪山登山 3つのポイント!雪山の木曽駒ケ岳編

雪山の木曽駒ケ岳に登ってきました

 

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ウインターシーズンの始まりはいつもワクワクしますね。

令和初の冬は、全国的に暖冬で、雪不足が叫ばれています。

地球に何か異変が起こっているのでしょうか。

POW(protect our winters)のHPを見ていただけると一番分かりやすいと思いますが、とても深刻です。ちなみに私もサポーターになっています。

単純に考えて、雪が無ければスキーもできないし、夏山でも山小屋の水が不足してしまいます。ニュースでも実際に営業を断念したスキー場も増えてると言っていました。

今なんとかしなければ、「登山」とか「スキー」とか楽しいことだけではなく、将来は「仕事」とか「経済」そして環境そのものの問題になってしまいます。

protectourwinters.jp

 

さて、令和初の冬休みも、毎年恒例の木曽駒ケ岳に1泊で登ってきました。

もう何回登ったことか・・・80回は越えたかな?(汗)

木曽駒ケ岳は、初心者向けと言われていますが、実際はどうなのか?そのあたりのことを記事にしようと思います。

 

 

木曽駒ケ岳の概要

木曽駒ケ岳は標高2,956m

中央アルプス(木曽山脈)の最高峰で100名山にも数えられています。

氷河圏谷である千畳敷カールは、散策路が整備されていて、登山者以外にも沢山の観光客が訪れます。

夏は高山植物の群生に癒され、冬は風雪に包まれる厳しくも美しい山容に息を飲みます。

急峻な中央アルプスにおいて、ロープウェイを利用することで、比較的短時間で登頂できる特徴的な山と言えます。

伊那前岳、宝剣岳、中岳が近接に鎮座し、360°の大パノラマに、南アルプスから富士山まで圧倒的な奥行きの絶景を求め、初心者からベテランまで多くの登山者が訪れます。

 

木曽駒ケ岳の駐車場、バス、ロープウェイについて

木曽駒ケ岳へのアクセスは、中央自動車道駒ケ根インターから数分で、菅野台バスセンター駐車場に到着します。

 

駐車料金は一日(24時間)800円

駐車場は24時間入出庫可能で、トイレ、自販機があります。

トイレは洗面台が温水も出るのでありがたいですね。

 

バス乗り場は駐車場に併設されています。

今回はこの時期にしては珍しく混んでいます。

聞いた話では、八ヶ岳の北横岳のピラタスロープウェイが運休のため、こちらに登山者が集中しているようです。

 

バス停に並ぶ前に、チケットを購入します。

バスとロープウェイのセットチケットを購入します。

往復で大人1名4400円

 

12月以降の冬の始発は8:15分です。

冬は滅多に混むことはありませんが、行列ができていると臨時のバスが出ることがあります。

今日は臨時が出ました。

 

バスに揺られ、くねくね道の山岳道路を30分程揺られると、ロープウェイの始点、しらび平駅に到着します。 

ロープウェイは約7分の空中散歩を楽しみながら、いよいよ千畳敷駅です。

 

※バス、ロープウェイの運行は、最新情報をチェックしてください。

雨量規制や、メンテナンスによる運休情報がリアルタイムで発表されます。

このブログに運行会社「中央アルプス観光」さんのリンクバナーが貼ってあります

 

木曽駒ケ岳 雪山登山の装備

装備はしっかり。観光客が気軽に八丁坂を登ってきてしまい、滑落していたり、雨に打たれて低体温症一歩手前になっているのを毎回見かけます。

 

以下に、夏山登山の装備の他に必要な冬山の装備を思いつくまま挙げてみます。

・ピッケル・・・絶対必要です。使い方を練習してから。

・アイゼン・・・前爪のあるもの。サイズの小さい女性は10本爪がおすすめです。

        歩行練習をしっかりして、爪を効かせるように。

・冬靴・・・夏の3000メートル縦走用の靴の人も見かけますが、自己責任です。

・極厚ウールソックス・・・予備は必携

・薄手のフリース・・・暑いものは汗をかいて凍ります。

・化繊のインナーシャツとタイツ・・・ユニクロのヒートテックの普通のものが〇

                  極暖は汗が乾かないので×

・登山パンツ・・・私はオールシーズン用のものを使っています。

・ハードシェル・・・夏用カッパの人も見かけますが自己責任です。

・オーバーパンツ・・・これも夏用は自己責任です。

・冬用スパッツ(ゲイター)

・ビレイヤーダウンジャケット・・・日帰りでも緊急用に。

・ネックゲイター・・・薄手のものじゃないと汗をかいてしまいます。

・ニット帽・・・薄手のものが好きです。

・ヘルメット

・サングラス・・・基本的に吹雪いた下山時以外ゴーグルはあまり使いません。

・ゴーグル・・・吹雪いた下山時用

・グローブ・・・ウール+シェルまたは防寒テムレスなど

        予備は必携です!

・ビーコン、スコップ、ゾンデ棒・・・使い方も訓練が必要です。

・ツェルトなどビバーク想定の装備・・・経験上必携です。

他、山専ボトルや、ストーブなど、状況に合わせて持参します。

木曽駒ケ岳の登山ルート

一般的なルートをざっくり説明すると、

千畳敷から乗越浄土と呼ばれる鞍部まで、カールを登ります。

乗越浄土から、中岳を越え、木曽駒ケ岳本峰に登り返して登頂です。

 

中岳には巻道がありますが、冬季は閉鎖しています。

夏でも、不安な方は中岳を経由することをおすすめします。

中岳からは木曽駒一帯の峰々が360°展望できますので、おすすめです。

 

千畳敷駅には、遭対協の方がいることが多く、装備のチェックや、相談にも乗ってもらえます。

ホテル千畳敷が併設され、2612カフェや、売店、自販機もあります。

 

登山届を提出し、装備を整えたら、いよいよ外へ。

今日は晴天!

気温は0.7°

 

真っ白に雪化粧した峰々と青空のコントラストが目に飛び込んできます。

何度来ても最高の気分になれます。

 

さぁ!木曽駒ケ岳、いざゆかん!

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まずは、カールを右に巻きます。

これは、向かって左側のサギダル尾根からの雪崩対策です。

数日前の降雪のおかげで歩きやすく、キュッ、キュッと粉雪を踏みしめる音が青空に吸い込まれます。

 

麓にあるアウトドアショップKの店員さん(遭対協隊員さん)に遭遇。

今日はサギダル近辺でクライミングするそうです。

かっこいい♪

 

夏道で言うところの、「ここより先登山道」のあたりから徐々に傾斜が出てきますが、まだまだ序の口。

 

そして暑い!

シェルのジッパーを全開にして、ペースを落とします。

今日は山荘に泊まるので、それほど焦る必要もない。景色を楽しみながら、

一歩一歩を大切に進みます。 

グローブも汗ばむと、稜線に出てから凍るので、薄手のインナーグローブのみで登ります。

ときどき歩みを止めて、背中を反らすと、八丁坂の雪面を滑ってきた冷たい風が、身体の熱気をさらってくれます。

オットセイ岩までは休憩しながら進むのがおすすめです。

オットセイ岩を越えると、急に斜度がきつくなり、凍っていることが多いので、一気に登る必要があります。
 

ゆっくり登ってオットセイ岩。

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今日も風雪に耐えながら宝剣岳を睨むイケメンのオットセイ。

 

ボトルネック状の八丁坂はこのあたりから人の密度が増します。

下山の人がアイゼンを付けたまま尻セードしてたりしますので、ルートが交錯しないように進みます。

 

やはり雪が少ないですね。夏道のロープが見えています。

凍っていないので今日は歩きやすい。 これならゆっくり登れそうですね。

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例年は、ひどいとこのあたりからガチガチに凍って、恐怖ゾーンとなります。

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今日はつづれ織りに登ることもできるほどコンディションが良い。

横を、学校の先生が生徒に歩き方を教えながらトラバースの練習をしています。

先生の指導はとてもわかりやすく、きっと授業でも教えるのが上手いんだろうなと思いました。

 

乗越浄土から吹き降ろす風が心地よい。

ここが一番風が集まるので、悪天時は吹き飛ばされそうになることもあります。 

足の筋肉にほどよい倦怠感が出た頃、乗越浄土に飛び出しました。

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滑らかな稜線の伊那前岳と、風に雪を叩きつけられて凍てつく宝剣岳。

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その向こうには青い屋根が特徴的な宝剣山荘があります。

山荘前にはテントが3つ張られ、冬用外張りの入り口部分が強風に流されています。

スノーブロックを積み上げる重労働も楽しそう。

いいなぁ、テントで来ればよかったかなぁ。

 まずは宝剣山荘でお昼ご飯。

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雪がこびりついたガラス扉を入ると、入り口の床にコンパネが敷かれていますので、

アイゼンのまま入室できます。

グローブをはずして椅子に座って装備が外せるだけでもありがたいですね。

支配人さんに挨拶を済ませ、ストーブにあたりながら、少し早いランチタイムです。

 腹ごしらえを済ませたら、荷物をデポさせてもらい、駒ケ岳に向かいます。

 

エビの尻尾もなかなか立派に育っています。

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少し座って休んだせいか、足の倦怠感が増しています。 

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それでもこの晴天で、気分はアガッてきます。

中岳へは若干トラバース気味に左を巻いていきます。

雪が少ないのでトレースも浅く、歩きにくい箇所もありました。

 

中岳頂上。ここも強風ポイントですね。

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ここから振り返る景色が一番好きです。

伊那前から宝剣、そして三ノ沢の大パノラマ。

そして、マッチ箱のような宝剣山荘。

全部ひとり占め。ここまで来ないと見られない景色。

 

中岳からは頂上山荘のある鞍部まで下ります。

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ここは岩がごつごつしているため雪が凍りやすいので、足元注意です。 

あぁ、下りは苦手だなぁ。

頂上山荘が半分雪に埋まっています。

 

ここのテン場は第二の我が家。

「今週も疲れたなぁ~」「あ、頂上山荘のテン場でのんびりしよう」

というパターンが多く、テントでのんびり過ごして、駒ケ岳本峰を踏まないことも多々あります。

 

頂上山荘を通過して、木曽駒ケ岳までは、一気に直登です。

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息が上がる手前で・・・ 

木曽駒ケ岳山頂です。

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日帰りの人達が下山した後なので、貸し切りです。

 

雪に埋もれたお社。

頂上木曽小屋さんの屋根と御嶽山。

西駒へ延びるなめらかな稜線。

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やっぱり登ってよかった。

実は宝剣山荘でお昼を食べたら眠気が。

今日はこのまま山荘でお昼寝しちゃうのもいいかもしれない・・・と誘惑が。

でもやっぱり山頂はサイコーですね。

 

山専ボトルの熱湯でコーヒーを淹れますが、結構な風と寒さで、早めに引き上げます。

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宝剣山荘の紹介

宝剣山荘は、冬季は年末年始のみ営業しています。

要予約なので注意してください。

詳しくはこのブログに宝剣山荘のリンクバナーが貼ってありますので、チェックしてみてください。

 

私にとって宝剣山荘の魅力は、

結露した窓。

軋む床。

石油ストーブの匂いと、くぐもった発電機の音。

都会の人混みや、ゴタゴタが嫌・・・山ではあまり人に会いたくない・・・はずなのに、宝剣山荘にはある、人の営みの温もりが好きです。

上手く伝えられませんが、私の一番大好きな山小屋です。

 

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スタッフさんは、遭対協の隊員さんなので心強いです。

そして何より「山」に対する考え方と働き方・・・それは公共性や趣味性の部分で、一般的な経済活動としての仕事を越えた部分。そんな部分が、私にとっての「師」なのです。

ここに来ると、下界での仕事も「また頑張ろう」と思えるし、人に優しくなれたり、生活の質が高まる気がします。

う~ん、ちょっとわかりにくいですかね?

 

あ、宝剣山荘は食事がとても美味しいです。

テント泊ばかりの私にとって、揚げ物が山で食べられることは最高の贅沢です。

それから米の炊け具合もとても美味しいです。

揚げ物が好きなら是非宝剣山荘へ。

 

支配人さんと談笑したり、(仕事の邪魔をしてしまいすみません)

書棚の漫画(今回はゴールデンカムイを読んだ)を読んだり、ゆったり流れる時間は、下界では味わえない魅力です。

下界では時間が流れていることすら実感がないまま一日が終わります。

 

今回山荘で出会ったお二人組の方から、食後のお茶にお誘いいただきまいた。

お茶といっても「コーヒーでも飲みながらのおしゃべり」じゃないですよ。

なんと、お抹茶を点てていただきました!

桐の箱から陶器の茶碗が!

 

茶筅のシャカシャカシャカという音が山荘内に響きます。

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懐紙に乗せてお菓子までご用意していただきました。

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「お点前頂戴しま~す」

ふわふわになったお抹茶。

!!!美味しい。

 

お茶の話とか、道具の話はわかりませんが、山の話をたくさんさせていただいて、なんだか茶道の精神交流みたいですね。

 

確かに、「わび・さび」は不足を前向きに捉え、その不足の織りなす美しさのことですもんね。

登山と通じるものがあります。

登山では水道もないし、衣食住のすべてを自分で担いで登る、不便の中の楽しさが魅力でもあります。

 

また山でお会いできたら嬉しいですね。

 

山荘のお部屋は、羽毛布団があり、熟睡できます。

寒さ対策に、ダウンパンツと象足を持ってきましたが、使うことはありませんでした。

小屋明けの日は、まだ温まりきっていないので、小屋全体が結構寒いです。

荷物に余裕があれば夏用シュラフを持ってくると安心ですね。

 

初心者が注意すべきポイント3つ

<その1 ルートについて>

木曽駒ケ岳は夏冬ともに初心者向けとして紹介されますが、登山デビューという方には注意が必要です。

一番いいのは経験者と登ること。

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雪の時期に関しては、アイスバーンと雪崩です。

千畳敷カールは雪崩の巣と言われています。

 

雪崩の発生しやすい箇所は、千畳敷駅側から順に、

①サギダル尾根から神社に向かって

②宝剣直下からカール中央を横断するもの

③八丁坂登山道の右の岩峰からカールの底に向かって

 

ビーコンなどの雪崩対策装備だけではなく、その使い方や、知識が必要です。

ドカ雪の後や、融雪シーズンは特に注意が必要です。

麓のバスセンター前にあるアウトドアショップKさんでは、いろいろな訓練イベントを主催しているので、おすすめです。

 

アイスバーンに関しては、オットセイ岩から乗越浄土までの急斜面がガチガチに凍ることがしばしばあります。

ピッケルもアイゼンの前爪も刺さらないほど青く凍ることもあります。

どうにか登れても本当に怖いのは下山時。

どうやってアイゼンを効かせればいいのか、どこをどう降りれぼよいのかわからず、高度感も登りの時には予想していなかったほど怖く感じます。

歩き方の練習や、滑落停止の訓練(経験上、滑ったら止まれないと思いますが)をしてから望むと良いと思います。

 

<その2 装備について>

木曽駒ケ岳はロープウェイで標高2612mまで登れてしまうことが、他の山と比べて特殊な状況を作り出しています。

短い行動時間で登頂できるため、夏冬ともに軽装備で登ってしまう人が目立ちます。

雪山装備は需要の少なさから高額になりますが、装備の力は偉大だなと思うことが多々あります。

昔のダブルヤッケの時代でも登れていましたが、初心者こそ、しっかりした装備で、体力をカバーすることもできます。

 

例えば、ピッケルはグルベルのG1 SAプラス。グリベルのピッケルは、研がなくてもびっくりするほどピックが鋭く、軽い力で雪面に食い込みます。

G1 SAプラスは、定番のネパールSA同様の曲がったシャフトが急斜面でビールジョッキの取っ手のように使いやすく役立ちます。

定番のネパールSAより軽く、小ぶりなので振り下ろすときのバランスが良いです。

予算に余裕がある場合はエアーテックエボリューションの方がさらに軽量ですが、シャフトの曲がりが強いため、よりテクニカルなルート向きです。

 

私はスノーハイク用の軽いもので滑落したときに、まったくピックが刺さらず、すぐにはじかれてしまった経験があります。

また、バックカントリー用の軽量モデルも振り下ろしたときのバランスが悪いです。

 

アイゼンは前爪のとがったモデルが良いと思います。

ペツルのサルケンは、T字型の前爪が雪面に刺さりやすく、T字なので縦爪のリンクスやダートのようにパウダーで引っかかることもありませんでした。

グリベルに比べ、爪が細いので、足の小さな私でも12本爪でも土ふまずに爪が集中し過ぎて刺さりにくいこともありませんでした。

 

服装については、雪山だからといって、行動中にダウンを着たり、厚手のフリースを着てしまうと汗が凍って低体温になってしまいます。

行動中は薄手のフリースをレイヤリングで調整し、停滞時に羽織るダウンは大きめサイズで一番外に着るのが便利です。

インナーはユニクロの普通のヒートテックが調子良いです。この1~2年で乾きやすさが改善されているように感じます。

グローブはおなじみ防寒テムレスやスプリンゲンがコスパ最高ですね!

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ということで、装備に助けられることも多いと思います。

 

<その3 天気>

天気の急な変化が一番怖いです。

今回は二日目の下山時、朝からどんどん天候が悪化してきました。

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八丁坂の下り始めは、積ったばかりの雪が、昨日までの雪面に乗っかっているだけの急斜面で、一歩踏むごとに雪面が崩れ、谷側に落ちていきます。

もし滑落しても今日のコンディションであれば、なんとか停止できそうですが、途中途中の手すりやロープに引っかかって変な姿勢になってしまったら、嫌だなぁ・・・。

 

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先を進んでいる登山者は、身動きがとれなくなっていたので、バックステップで、怖くても膝を着かないように、しっかり腰を上げて降りるようにアドバイスを。

そう言う私も怖い!

オットセイの先まで進めば安心なのですが・・・。

 

恐怖心から息が上がってゴーグルは凍るし、視界は10メートルもありませんでした。

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何も見えない広いルートなどでは、方向がつかめなくなると最悪遭難となってしまいます。

私の場合は何度も来ているので時々切れるガスの合間で方向を見定めたり、斜度の変化で自分の位置が把握できましたが、念の為GPSを起動させておきました。

実際数年前は、ホワイトアウトでルートをロストし、アイスバーンに突入したせいで300メートルほど滑落して、一晩ビバークとなりました。

今まで生きてきて一番怖い経験でした。それもこの木曽駒ケ岳です。

 

天気が悪いときは登らないのが一番です。

それでも予測できない急変に備えて、定期的にビバーク訓練をしておくと、気持ちの余裕が違うと思います。

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さて下山のつづき・・・

なんとかホテル千畳敷の影が確認できるところまで戻ってきたのですが、トレースは消えてしまい、膝上まであるラッセルはなかなか進みません。

いつもならこれも訓練!と、あえて深いところを歩くようにしているのですが、明日はこのまま別の山でバックカントリーの予定なので、筋肉痛になったら嫌だなぁ。

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今日登ってくる人はさすがにいないですね。

千畳敷に到着すると、長野県警の救助隊の方がいました。

赤と黄色のシェルを見るだけで、とても安心感があります。

 

「今日は登らない方が良いですよ」とアドバイスをくださる「警備隊。

「いや、実は今降りてきたところです!」(私)

「!!!上の状況はどうですか?」(警)

「視界は5メートル、2名駒ケ岳に登っていますが、ベテランです」(私)

と、稜線より上の情報をお伝えして、今回の山行は終了です。

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まとめ

雪山の木曽駒ケ岳は、初心者の方の雪山デビューとしては要注意です。

経験者と一緒に登るか、入笠山や八ヶ岳の北横岳などを先に登ると良いと思います。

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おいでなんしょ!木曽駒ケ岳! 

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